●刑務所のプログラムを「机上の空論」と疑問視
刑務所でのプログラムは意味がなかったのか──。
男性は、事件を起こしそうになった際の対処法を考えた時間が「一番印象に残っている」と振り返る一方で、こう語った。
「女性のいない刑務所で考えたものですから、机上の空論でしかなく、あまり役には立ちませんでした」
そのうえで、再犯防止に必要な対策について、次のように持論を展開した。
「何度も再犯をしている私からしますと、再犯率の高さを刑務所のせいにするのは間違っていると思います。
刑務所で行われている教育自体には意味があると思いますが、出所後にも月に1度くらいでも再教育やグループミーティングを行ってくれる機関があれば再犯リスクは下げられるのではないでしょうか。
そういった機関が皆無という訳ではありませんが、有料のところや高額のところが多いですね。また、平日の早い時間に行われており、受講するためには仕事を休まなければならず、出所後稼ぎが少ない人はなかなか受けられないというのが現状ですね。
今であれば、リモートでできるようなものがあるかもしれませんが、大げさなものでなく、同じような加害者同士で話し合える場があるだけでも違うのではないかと思います」

●「死刑の方が気が楽だった」
別の機会には、こんな考えも示した。
「再犯を防ぐための対策は私にも何がいいのか分かりません。現行の刑事施設で行われている教育だけでは全く効果はないと思います。
教育で取り入れてほしいと思うことは、リアルな性被害者との対話ですね。その苦しみを直接ぶつけられた方が私はたまらなく辛いと思うからです。
うまく言えませんが、事件後への影響や怒りを直接言われると凹むと思いますが、印象として強く残ると思うからです」
なぜ再び刑務所に戻るとわかっていながら、衝動を抑えられないのか。
「『刑務所に戻るから我慢する』という気持ちは、出所後半年くらいしか維持できません。これは性犯罪者に限らないと思います。簡単な手段を知ってしまうとやめられないし、刑務所の苦より、面前の苦をどうにかしたくなるからだと思います」
無期懲役刑が確定し、社会に戻ってくる可能性は低い。彼は、その現実を前にしてこう吐露した。
「死刑の方が気が楽でした」

