パーキンソン病の治療で使用される薬
薬物治療はパーキンソン病の治療の中心です。使用されるさまざまな薬剤について詳しく見ていきましょう。
L-ドパ(レボドパ)
L-ドパは体内でドパミンに変換されます。そして、ドパミン不足を補うことで症状を改善します。パーキンソン病の運動症状に対して、最も高い効果を示すとされています。日本では、L-ドパ/カルビドパ配合剤とL-ドパ/ベンセラジド配合剤の2種類が利用可能です。
効果が強いことが大きな利点ですが、長期使用によってウェアリングオフ(効果の減衰)やジスキネジア(不随意運動)が現れることがあるため、適切な投与量の調整が重要です。
ドパミンアゴニスト
ドパミン受容体を直接刺激し、ドパミンの不足を補う作用がある薬です。日本では8種類の薬が承認されており、プラミペキソールやロピニロールが代表的です。貼付剤の剤形が設定されている薬剤もあり、経口摂取が不安定な方も使うことができます。
L-ドパより効果は穏やかですが、突発的な眠気(突然眠りに落ちる症状)が副作用として現れることがあります。そのため、服用中は自動車の運転を控えるよう指導されています。
MAO-B(モノアミン酸化酵素B)阻害薬
MAO-B阻害薬(セレギリン・ラサギリン)は、脳内でドパミンを分解する酵素のMAO-B働きを抑制する薬です。脳内のドパミン濃度を維持することで、運動症状の改善に寄与します。
L-ドパと併用することでその効果を延長させることが可能。しかし、ジスキネジアの悪化がみられることもあるため、慎重な調整が求められます。
COMT(カテコール-O-メチル基転移酵素)阻害薬
COMTは、L-ドパを分解する酵素の一つです。COMT阻害薬(エンタカポン・オピカポン)は、この酵素の働きを抑えることで、L-ドパの効果を持続させ、ウェアリングオフを軽減する目的で使用されます。
COMT 阻害薬はL-ドパと併用することで薬の持続時間が延びるため、効果の変動を抑え、より安定した治療が可能になります。
抗コリン薬
抗コリン薬は、アセチルコリンの作用を抑制することで、振戦(手足の震え)を軽減する効果が期待される薬剤です。パーキンソン病の治療法として長年使われてきましたが、認知機能に影響を与える可能性があるため、高齢の方や認知機能が低下している患者には注意して使用する必要があります 。
パーキンソン病の入院期間
基本的にパーキンソン病は外来通院で治療を行います。しかし、入院で治療を行うこともあります。パーキンソン病の入院期間は、治療の内容によっても異なります。
薬物調整目的の場合、1〜2週間の入院でリハビリテーションも同時に行われることがあります。
DBS手術の場合、2〜3週間程度の入院が必要になることがあります。
一度このような入院をしたのちは、外来通院で刺激調整や薬物調整を行なっていきます。また、術後にも、定期的に刺激検査のための入院が必要となる場合もあります。

