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2026年1月6日、島根県東部を震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、島根・鳥取の両県で最大震度5強を観測しました。この地震で特に注目されたのが、鳥取県西部で観測された長周期地震動階級4です。階級4は、固定していない家具の大半が移動・転倒し、はわないと動けないほどの激しい揺れを指します。
長周期地震動は震度とは異なる指標であり、それぞれの違いを知っておくことが大切です。今回は長周期地震動の基礎知識や震度・緊急地震速報との関係などを紹介します。
長周期地震動とは?
長周期地震動とは、地震が発生した際に生じる、ゆっくりとした大きな揺れのことです。長周期地震動には以下の特徴があります。
- 通常の地震で感じるガタガタという小刻みな揺れとは異なり、周期(揺れが1往復する時間)が数秒から数十秒とやや長い
- エネルギーが減衰しにくく、震源から数百km離れた場所まで伝わることがある
- 長い時間にわたって揺れが収まらないことがある
- 高層ビルの上層階は共振が起こりやすく、特に被害を受けやすい
なお、共振とは、外から加わる揺れのリズムが、建物の揺れやすいリズムと一致して、揺れが増幅されてしまう現象です。
建物には、その高さによって決まる揺れやすい周期(固有周期)があります。長周期地震動は周期の長い大きな揺れですが、このゆっくりとしたリズムが、高層ビルの固有周期と一致しやすいため、共振が起きやすくなるのです。
長周期地震動の階級
長周期地震動の大きさは、私たちが普段耳にする「震度」とは別に、階級1から4までの4段階で発表されます。
出典:気象庁「長周期地震動階級関連解説表」
階級3以上になると、建物の骨組みは無事でも、部屋の仕切り壁などにひび割れが入ることがあります。
長周期地震動の過去事例
過去には長周期地震動により、以下のような被害が発生しています。なお、気象庁が長周期地震動に関する観測情報の発表を始めたのは2013年3月であるため、それ以前の地震に関しては階級の記録がありません。

2016年、2024年、2026年で観測されている階級4は、「立っていることができず、はわないと動けない」という危険な状態を指します。
たとえ建物の構造自体は無事であっても、固定していない家具が凶器となったり、出口が塞がれたりするリスクがあります。また、東日本大震災の事例からもわかるように、震源から遠く離れた場所でも長周期地震動によって大きな被害が発生する可能性もあります。
揺れが増幅されやすい場所や地形
長周期地震動は、地下に厚い堆積層がある堆積盆地(たいせきぼんち)で増幅されやすいのが特徴です。
固い岩盤を通ってきた地震波が、平野部などの柔らかい堆積層に入ると、振幅が大きくなります。さらに、盆地の縁で波が反射したり、堆積層内でエネルギーが閉じ込められたりすることで、揺れがさらに増幅されやすくなり、長時間にわたって続くことになります。特に関東平野、大阪平野、濃尾平野などの大規模な平野部でこの傾向が見られます。
長周期地震動と震度の関係
震度は主に地上の揺れを表す指標ですが、長周期地震動による高層ビル内の被害を正確に評価することはできません。そのため、震源から遠く震度が小さくても、高層階では長周期地震動により激しい揺れになることがあります。地上の揺れを示す震度とは別に、高層階特有のリスクを示す長周期地震動の階級を正しく確認することが重要です。
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長周期地震動と緊急地震速報の関係
気象庁は2023年2月より、緊急地震速報の発表基準に長周期地震動階級を追加しています。緊急地震速報(警報)の発表基準は以下の通りです。

緊急地震速報の発表基準に長周期地震動階級が追加された理由には以下が挙げられます。
- 長周期地震動により人命に関わる重大な災害が起こる恐れがある
- 近年の高層ビルの増加により、その影響を受ける人口が増えている
また、長周期地震動階級を精度よく予測する技術も実用レベルに達し、事前に警戒を呼びかけることが可能になったことも追加された理由の一つです。
