「胃ポリープができる原因」はご存知ですか?医師が解説!

「胃ポリープができる原因」はご存知ですか?医師が解説!

胃ポリープができる原因

ヘリコバクター・ピロリ感染

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、胃の粘膜に生息する細菌で、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因とされています。また、胃がんや胃過形成ポリープのリスクを高めることが知られています。
ピロリ菌の感染は、以下の方法で診断されます。

・便中抗原検査: 便に含まれるピロリ菌の抗原を検出します。

・尿素呼気試験: 呼気中の尿素分解産物を測定して感染を確認します。

・血液検査: 抗体の存在を調べる方法ですが、感染の活動性は判断できません。

・胃内視鏡検査: 直接胃の組織からサンプルを採取して検査する方法です。

ポリープは無症状のことも多く、健康診断の胃カメラ(内視鏡検査)でポリープが指摘され、組織検査からピロリ菌感染が指摘される、というパターンも多いです。
ピロリ菌感染の治療には、通常抗生物質を含む複数薬剤による治療が行われます。
治療後は、完全な除菌が確認されるまで経過観察が必要です。除菌の確認には尿素呼気試験が用いられることが多いです。
これら一連に検査、治療が行えるのは消化器内科になります。緊急性はありませんので日中に受診しましょう。

遺伝的要因

一部の胃ポリープは遺伝的な要因により発生する可能性があります。特に家族性大腸腺腫症(FAP)などの遺伝性疾患は、胃ポリープを伴うことがあります。FAPに併存する胃の病変としては胃底腺ポリープが最も高頻度に見られるとされています。また胃がんを併発する場合も報告されており、早期発見が重要です。
血のつながった親族に同様の病気を持った方がおられる場合は、積極的に内視鏡検査を受けるようにしましょう。

加齢・慢性胃炎

高齢者では、胃粘膜の老化に伴いポリープが発生しやすくなることがあります。
また長期にわたる慢性胃炎は、胃粘膜の変化を引き起こし、ポリープの形成を促すことがあります。慢性胃炎の原因にはピロリ菌感染がありますが、それ以外にもさまざまな要因がありますので、以下で解説します。
まずはタバコです。喫煙は胃の粘膜を刺激し、慢性胃炎のリスクを高めます。過度のアルコール摂取も胃の粘膜を刺激し、慢性胃炎を引き起こす原因となることがあります。そして長期的なストレスや心理的な負荷は、胃の健康に悪影響を与え、慢性胃炎のリスクを高める可能性があります。
最後に食生活の乱れです。不規則な食事や刺激的な食べ物(香辛料の強い食品、コーヒーなど)、食べ過ぎなども胃の粘膜に負担をかけ、慢性胃炎を引き起こすことがあります。
慢性胃炎も専門の診療科は消化器内科になります。緊急性はありませんので日中に受診しましょう。

「胃ポリープの原因」についてよくある質問

ここまで胃ポリープの原因などを紹介しました。ここでは「胃ポリープの原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

ストレスが原因で胃ポリープができることは考えられますか?

飯田 綾子 医師

ストレスが胃炎の原因になることは知られていますので、結果的に胃のポリープを形成することは考えられます。

胃ポリープができる可能性の高い食品や食生活は何が考えられますか?

飯田 綾子 医師

特定の食品が胃ポリープの原因になるという報告はありません。この食品が悪い、というよりは「総合的にバランスの取れた食事が予防につながる」と考えてください。

コーヒーが原因で胃ポリープができるのでしょうか?

飯田 綾子 医師

コーヒーは胃粘膜に刺激的に働くことは知られていますが、コーヒー単体が胃のポリープの原因になるという報告はありません。

配信元: Medical DOC

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