
令和7年(2025)は、日韓国交正常化から60周年に当たる節目の年。
これを記念して、長崎県対馬市にある対馬博物館では、10月4日(土)~12月7日(日)の期間、特別展「倭館―中近世 日朝交流の最前線―」を開催する。
倭館について
倭館は朝鮮半島に設置されていた日本人のための客館。
対馬は古来、日本列島と大陸とを結ぶ海上交通の要衝であり、モノ・ヒト・コトの交差地点として重要な役割を果たしてきたという。中でも対馬と特に関わりの深かった朝鮮半島には、15世紀初頭から19世紀後期まで「倭館」という日本人のための客館が設置されていた。
江戸時代の倭館は釜山に設置され、貿易のみならず、朝鮮国王から江戸幕府の将軍に派遣される朝鮮通信使の来聘交渉までが行われていた。倭館は対馬藩の生命線である経済活動と日朝間の国交とを担う、まさに日朝交流の最前線と呼ぶべき場所だったのだそう。
長浜市指定文化財の「誠信堂記」も公開
今回の展覧会は、倭館を特集した日本で初めての特別展。実際にどのような外交・貿易・文化交流が行われていたのかに焦点を当てて紹介する。
対馬の旧家に伝わる貴重な古文書だけでなく、京都大学附属図書館所蔵の草梁倭館を描いた貴重な絵図や、長浜市指定文化財の「誠信堂記」などを公開する。
