水と仲良し! 砂糖が持つ「脱水」と「保水」の力
3月10日は、その語呂合わせから「砂糖の日」とされています。私たちの食生活に最も身近な調味料の一つである砂糖ですが、実は「甘みをつける」以外にも、料理の仕上がりや保存性を左右する重要な役割を担っていることをご存じでしょうか。肉を柔らかくしたり、デンプンの老化を防いだり……。知っているようで知らない砂糖の奥深い魅力と、固まってしまった時の復活テクニックを管理栄養士が解説します。
砂糖の最大の特徴は、非常に水に溶けやすいことです。この特性が、食材の水分を奪う「脱水作用」や、水分を抱え込む「保水作用」を生み出し、料理にさまざまな効果をもたらします。
肉料理がジューシーに: 焼く前に砂糖をもみ込むと、砂糖が肉の組織に入り込んで水分を保持します。また、たんぱく質が熱で固まるのを遅らせるため、加熱してもパサつかず、しっとり柔らかく仕上がります。
卵料理をふわふわに: プリンや卵焼きに砂糖を加えると、卵の水分を砂糖が抱え込み、なめらかで柔らかな食感を保ちます。
保存性を高める: ジャムやあんこが日持ちするのは、砂糖が食品中の水分を抱え込み、カビや細菌が利用できる水分を減らすためです。
デンプンの老化防止や「おいしそうな焼き色」の秘密
砂糖の役割は、食感や保存性だけにとどまりません。
●硬くなるのを防ぐ
ご飯やお餅は放置するとデンプンが老化して硬くなりますが、お寿司(すし)のシャリや和菓子が柔らかさを保てるのは、砂糖が水分を引きつけてデンプンの老化を抑制するためです。
●美しい焼き色をつける
クッキーやホットケーキの食欲をそそる焼き色は、砂糖とたんぱく質が熱によって反応する「メイラード反応」によるものです。
他にも、メレンゲの気泡を安定させたり、肉や魚の生臭さを消したり、酸味や苦味を和らげたりと、砂糖はまさに「キッチンのマルチプレーヤー」といえます。

