
ドラマ初主演の宮崎優が山下幸輝と恋に悩む男女を演じる「バッドチョイス・グッドラブ」(3月11日水曜夜8:00、ABEMAにて配信開始)。下北沢を舞台にしたタイムスリップ・ラブコメディの本作は、過去の恋愛のトラウマを抱えて新しい一歩を踏み出せない鴨居ひより(宮崎)がかつて最悪な別れ方をした“サブカルクソ男”こと須藤鯨(山下)と“付き合わない”ために時空を超えて奔走する姿を描く。
今回は、ABEMA(横型ドラマ)とショートドラマプロジェクト「ショードラ」(縦型ドラマ)で2つの物語が描かれ、重なったときにひよりの選択と鯨の秘密が明かされる実験的ドラマ。ひよりを演じた宮崎優と鯨を演じた山下幸輝にお互いの印象、ドラマの魅力、大好きな場所などを聞いた。
■好きだけど憎たらしいとか避けちゃうってかわいらしい
――最初に「運命の恋をしないために過去にタイムスリップする」と聞いたときいかがでしたか?
宮崎 “好き避け”みたいな感じで面白そうと思いました。好きだけど憎たらしいとか避けちゃうってかわいらしいですよね。学生時代、そういう友達を見てきたので、客観的だとかわいく見えると感じていました。
山下 斬新だと思いましたが、そういうのもアリなんだとも思いました。ただ全てはひよりを演じる宮崎さんにかかっているなと思いました(笑)。
――自分の役の印象や演じる上で気をつけた点を教えてください。
宮崎 台本を読んでいて、ひよりちゃんはぶっ飛んでいるし、ちょっと間違えたらイヤな子に見えてしまうこともあるんじゃないかと感じました。そんな彼女をどうやったら憎めないキャラにするのか、監督とプロデューサーさんと一緒にお話をして、憎めないひよりちゃんを頑張って作っていきました。ひよりちゃんはいきなり怒り出したりとか急に感情が上がることがあるのですが、そこにもちゃんと理由があることが伝わるように演じようと感じました。
山下 僕はどうやったら鯨の持つサブカル感を出すことができるのかと考えました。僕自身もサブカル系だと思うので、生活感とか大事にしているモノへの気持ちはよく分かるのですが、それを表現するとどうなるのか…。あと特に衣装合わせではよく考えました。靴も中学生の頃からずっと同じのを履いていたりと多分こだわりがないんです。そこをきちんと出したいと感じました。あと落語のシーンもあるので、常に落語を聴いたり、下北沢にも行って、鯨が感じていた雰囲気を味わいました。
――自分の役に対して共感できる点はありましたか?
宮崎 元気でハキハキ言うところは似ている気がします。逆に私にはないなと思うのは、恋愛的な面で相手にワーッと言いたいことを言うこと。なかなか感情を分かりやすく出すことはできないので、ひよりちゃんはすごいって思いました。私はどちらかというと黙って考え込んでしまうタイプ。だからこそ違う自分が出せて面白かったです。

山下 僕は共感できるところばかりで。音楽が好きでそれ以外はないというのは分かるというか。逆に違うところはどこなんだろう…。あっ、服のセンスはある気がする(笑)。鯨くんは物持ちがいいけど僕は今の流行のアンテナを張っているので、そういう所は違うかな。

――山下さん演じる鯨はギターを弾きますが、演奏する上でこだわった点など教えてください。
山下 ギタリストというよりコンポーザーみたいな役どころで、曲を作る人というイメージを持って演じさせていただきました。演奏シーンは、ひよりと話しているときとは全く違う目を意識しました。音楽が大好きで無我夢中というのを意識して。本当に好きなものに熱中している男の子というイメージというか。音楽に集中しているときの自分に重なる部分でもありました。
――宮崎さんはドラマ「グラスハート」(Netflix)でドラムを披露していましたが、役で楽器を演じる際、気をつける点などありますか?
宮崎 私はすごい大御所の方がメンバーにいたので、絶対に私が一番カッコいい!という思いを掲げながら演じていました。叩き方などは、キャラクターが好きな音楽を考えて、その音楽のドラムの人を研究したり、自分が好きなドラマーさんの叩き方をミックスしたりして考えましたね。
山下 僕は誰かをイメージするとかはなかったけど、メンバーに弾ける子が何人かいるので、家に行って教えてもらって。あとひざの置き方とか、ギターの持ち方など、ギターをやっている人たちのあるあるも教えてもらいましたが、意外と面白かったです。歌は馴染みあるけどギターを触ってお芝居するのは新鮮で楽しかったです。
――今後もギターを続けていきそうですか?
山下 僕はギターよりもやりたいモノがあって…。それはピアノとドラム。ドラムは撮影現場の部室にあったのでちょっと教えてもらいました。
宮崎 基礎的なところをね。頑張っていたけど(笑)。
山下 まだまだなんで頑張ります。でも音楽のリズムを作っている人はカッコいいですよ。そういうできることが広がると自分の音楽活動にも演じる役にももっと色が出せるような気がします。

■宮崎さんは思っていたよりおしゃべりかも
――今回は主題歌を山下さんがリーダを務める「WILD BLUE」が担当したんですよね。
山下 このドラマに忠実な歌詞を書いていただいてカッコいい曲になりました。ドラマの撮影中にラフが上がってきて、これはヤバいぞ、絶対にいいヤツだとなったのを覚えています。宮崎さんにもすぐ聞いてもらったよね。
宮崎 本当にピッタリだと思いました。実際に歌って踊ってという姿はまだ見られていないので早く見たいです。
山下 最近はバズるために印象的なワードを使う曲が多いのですが、今回は心地よく耳に入ってくる軽いサウンドを意識しています。それがドラマの世界観とリンクしている気がしています。
宮崎 ドラマに本当にピッタリなので、ぜひ音楽まで楽しんでください。
――息がピッタリなお二人ですが、最初の印象を教えてください。
宮崎 笑顔がすてきだと思いました。
山下 ありがとうございます! 僕は穏やかで元気という印象。声のトーンがいいんですよね。
宮崎 あと一緒に演じていてさらに感じたことですが、お芝居がすごくナチュラルで。セリフを自分のものにしておしゃべりしているように感じさせてくれるんですよ。カメラの前では鯨くんそのものでした。
山下 宮崎さんは演じているときの目が印象的。真っ直ぐで。
宮崎 怖いとかではない?
山下 怖くないですよ(笑)。その真っ直ぐさに鯨が惹かれたんだと思います。
――撮影をしていて知った意外な素顔を教えてください。
宮崎 本当に完璧人間だと思いました。会う前はすごくキラキラしているのでちょっとツンケンしているのかな?と思っていたんですよ。あいさつをしても目を合せず「おはよっす」みたいな感じというか。でも実際に話してみるとすごく話しやすくて。芸能界で一番話しやすい人かもと思っています。礼儀正しくてすごくいい人というイメージです。
山下 宮崎さんは思っていたよりおしゃべりかも。
宮崎 なにそれ? うるさかった?
山下 いや、僕はあまりしゃべらないタイプなのに話しかけてくれて、それがすごく居心地がよく。現場のいいムードメーカーでした。僕だけではなく他の人たちにも変わらず話しかけているのもさすがで。僕も現場で宮崎さんみたいになりたいなと思いました。
宮崎 ありがとうございます(笑)。


■お互いの大切な場所は?
――今回は、「下北沢で夜中に霧が発生したらタイムスリップをする」という都市伝説をアレンジしていますが、都市伝説は信じる方ですか?
山下 えっ!? これ本当にある話なんですか?
宮崎 都市伝説としてね。私はたまたま聞いて知っていたけど。
山下 知らなかった。完全にドラマの設定だと思っていた。あっ、宮崎さんは都市伝説とか好きだもんね。
宮崎 そうなんですよ。だからこの下北の伝説もあると思うし、魔法使いもいると思っています(笑)。
山下 僕は面白いと思うけど知らないことの方が多いかも。でも下北沢は好き。本とか音楽とかお芝居とかなんでも詰まっているあの雰囲気がいいですよね。
宮崎 私も下北沢は好きで。中でもヴィレバン(ヴィレッジヴァンガード)にはよく行きます。いろんな面白いおもちゃがあって楽しいですよね。ライブハウスは役づくりで何回か行かせていただいたり。好きなライブハウスはよく顔を出したりしています。

――今回は下北沢の街並みがたくさん登場しますが、お二人の好きな場所を教えてください。
宮崎 五島列島が好きです。親戚が住んでいて、小学生頃は毎夏訪れていました。夏になると川の近くにホタルが出て、本当にあり得ない量で美しいんですよ。自然の中にいると感じてすごくリフレッシュできる場所です。あと食べ物も美味しい。刺身とか見たことがないくらい美しくって。時間があったらまた行きたいです。
山下 やっぱり地元の大阪。関西弁を聞いたらすぐに昔の自分に戻ります。ただ地元に帰るとオフになり過ぎちゃうので、大阪で仕事があるときにちょこっと実家に帰るぐらいがちょうどいいのかも。長い間、大阪にいて、すぐに撮影となってもいつもの顔に戻らないかも(笑)。それぐらい素でいますね。けど意外とスイッチの切り替えはできる方なので、東京に戻ったらすぐにいつもの自分です。

■タイムスリップ出来たらどの時代に行く?
――本作は過去の彼と付き合わないようにタイムスリップしますが、もしタイムスリップできたらいつに行きたいですか?
宮崎 私は自分が生まれる前に行きたいです。昭和という時代が好きなので70年代、80年代に行って大好きな中森明菜さんらアイドルの推し活をしたいです。はっぴを着て大声で応援したりして…。あと明菜さんみたいな格好をしてみたり。昭和レトロってかわいいですから。
山下 僕は中1かな。僕はダンスばっかりで勉強をあまりしてこなかったのでちゃんとしてみたいです。そしたら違う世界が広がる気もして…。今と違ってもっとハキハキと話していろんな引き出しがある人になっていたのかもと思ったり…。まぁ勉強して医学に興味が出たら医者になっている可能性もあるとは思うのですが。その分岐点になりそうなタイミングに行ってみたいです。
――本作は、ABEMAとショートドラマを横断する物語。この横型×縦型の両方で楽しむと聞いたときの感想を教えてください。
宮崎 普通の横型ドラマだけではなく、より深掘りできるので何度も楽しめる作品だと思いました。ドラマのファンになったら細かい所まで確認して楽しめると思います。
山下 鯨の秘密はショートドラマの方で分かるんですよ。なのでどっちも見て欲しいというか、見てもらわないと…という感じです。僕としては鯨の完結編がショートドラマなので。こんなに交差するドラマは初めてなので楽しんでいただきたいです。
――実は2人とも他のキャラクターには“秘密”を抱えているんですよね。
宮崎 ひよりはタイムスリップしてきたことをバレないように過ごしています。なのでなんかドッキリを仕掛けている側になっているような感覚でした。すごく楽しかったです。
山下 僕はその逆ドッキリをしている感じで。なので2人ともドッキリを仕掛け合っているような絶妙な感覚で(笑)。それがどういうことなのかは、ショートドラマを見て、こういうことか!と思っていただきたいです。

――最後に見どころを教えてください。
宮崎 ひよりの成長は楽しんでいただきたいです。あとこんなにピッタリなんだと思ったのは鯨くんの笑顔。ふにゃっと笑うと台本に書いてあったのですが、山下さんが演じている姿はそのもの過ぎて…。ぜひ注目してください。
山下 僕、最初にふにゃっと笑うってどういうことなんだろうって分からなかったんだよ。でもあるとき、そのままでいいんだ、普段からやっている笑い方でいいんだと気づきました。
宮崎 山下さんそのまんまだもんね。
山下 そうそう。ちなみに僕がオススメする見どころはストーリー。ひよりの過去のトラウマが描かれていますが、意外と学生の頃に追ったトラウマは克服できるモノだったりするもので。ひよりを見て、トラウマを抱えている方は今からでも遅くないと思うきっかけになればうれしいです。多くの人が共感できる物語だと思うので、ぜひ楽しみにしてください!
取材・文=玉置晴子
撮影=山田大輔
※宮崎の「崎」の正式表記は「たつさき」


