相変わらず、千葉県の市川市動物園で暮らすニホンザル「パンチくん」が人気だ。
生まれてすぐに母ザルから育児放棄されたというエピソードに加えて、あどけない仕草や表情が多くの人の心をつかんでいるのだろう。
国内外からパンチ目当ての来場者が少なくない。動物園の規模からすれば異例ともいえるほどの注目を集めており、写真や動画を撮ろうとカメラを構える人の姿が絶えない。
その人気ぶりを物語るように、SNS上では寄付金を募る詐欺アカウントまで登場しているという。いつの時代も、人気者に便乗しようとする人間が現れるものらしい。
●パンチくんをいじめるサルに「舌打ちする人」も

毎週のように市川市動物園を訪れているという女性は「ようやく、うまく写真が撮れました」とうれしそうに話す。
少し前に比べれば、熱狂的な混雑はやや落ち着いてきたように思える。それでもパンチくんの前には人だかりができ、来園者の列が続いている。
以前は、前列の人がなかなか場所を譲らないこともあったが、最近では「前列の人は後ろの方に譲ってください」といったアナウンスが流れることも増えているという。
とはいえ、現場の空気が常に穏やかというわけでもない。
「パンチくんにちょっとでもちょっかいを出す猿がいると、舌打ちする人もいるんです」(女性)
サルの群れの中では珍しくない行動でも、小さなパンチくんに感情移入してしまう人は少なくない。思わず応援したくなる気持ちはわかるが、その光景を想像すると、どこか可笑しくもある。
●善意や共感につけ込む詐欺が入り込む

報道によると、そんなパンチくんの人気に目をつけて、SNS上では偽のアカウントで寄付金を募る動きまで出ているという。また、パンチくんが大切に抱えるぬいぐるみ「オランママ」に似た商品を販売するアカウントもあった。
市川市動植物園も「ここでお知らせする以外に、現在様々な形で呼びかけられている当園やパンチの支援活動について、当園は公認していません。トラブルの責任は負いかねますのでご注意ください」と呼びかけている。
もちろん、人気にあやかった商売がすべて悪いわけではない。
動物園のグッズや企画が人を集め、結果として施設の運営や動物の保護につながることもある。むしろ、多くの人が関心を持つこと自体は歓迎すべきことだろう。
ただ、善意や共感につけ込む詐欺が入り込めば話は別だ。小さな人気が思わぬトラブルに発展することもある。SNSの時代だからこそ、冷静さも問われている。

