寝たきり高齢者の圧迫骨折とは?原因や影響、予防と介護のポイントを解説

寝たきり高齢者の圧迫骨折とは?原因や影響、予防と介護のポイントを解説

圧迫骨折を防ぐためにできる予防とケア

圧迫骨折を防ぐためにできる予防とケア

寝たきり高齢の方の圧迫骨折予防には、骨粗しょう症の治療と栄養管理、こまめな体位変換やリハビリによる筋力維持、転倒しにくい環境づくり、適切な介助動作と体位保持具の活用が大切です。

骨粗しょう症の治療と予防

骨の強化と転倒・骨折を防ぐことの両方の意識が大切です。治療は、ビスフォスフォネート製剤やデノスマブ、副甲状腺ホルモン製剤などの薬によって骨の新陳代謝を整え、骨密度の低下を抑えていきます。また、カルシウムやビタミンD・ビタミンKを意識した食事、日光浴や可能な範囲での筋力トレーニング・立位練習などにより、骨と筋力を保つことが重要です。

参照:『骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を』(厚生労働省)

安全性に配慮した体位変換と介助の工夫

寝たきり高齢の方の体位変換は、骨や皮膚を守りつつ、本人と介助者の双方の安全性の配慮が大切です。まず、「今から向きを変えますよ」などと声をかけ、不安を軽減しながらゆっくり行います。ベッドの高さを介助者の腰くらいに調整し、自分の腰を曲げすぎない姿勢で、からだに密着して支えることで、介助者の腰痛予防にもつながります。骨粗しょう症が強い方は、ねじる・引きずる動きは避け、肩と骨盤を同じ方向にそろえて回すようにして、局所に無理な力がかからないようにします。また、クッションや枕を背中・膝・かかとなどの下に挟み、体圧を分散させることで、背骨や皮膚への負担を減らし、安全性が高く安楽な姿勢を保てるよう工夫します。

参照:『体位交換の重要性とコツ ~仰臥位(仰向け)から側臥位(横向き)への体位交換~』(南東北春日リハビリテーション病院)

住環境や寝具の見直し

圧迫骨折を防ぐためには、住環境や寝具を転倒しにくく、起き上がりやすく、衝撃を和らげる方向に見直すことが大切です。ベッドは、高齢の方が足をついたときに膝が直角か少し伸びる程度の高さに調整し、必要に応じてサイドレールやベッドまわりの衝撃吸収マットを活用します。また、床には滑りやすいマットやコード類を置かず、夜間は足元灯やセンサーライトで見えやすさを確保します。寝具は、身体が沈み込みすぎないマットレスや体圧分散マットを選び、寝返りや起き上がり動作がしやすい硬さを意識します。布団の場合は下にマットレスを敷いて適度な高さを出すなど、安全性を高めた自力動作を助ける環境づくりが重要です。

参照:『介護ベッドの事故防止対策報告書』(独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE))

医療機関を受診すべきタイミング

医療機関を受診すべきタイミング

圧迫骨折が疑われる場合は、いつ受診するかがとても重要です。まず、「昨日までは平気だったのに急に腰や背中の強い痛みが出て、起き上がれない・座れない」などの急な痛みの変化がある場合です。特に転倒や尻もち、無理に身体をひねった・起こしたなどのきっかけがあったときは、早期に検査を受ける必要があります。また、「はっきりした転倒はないのに、数日〜数週間かけて腰痛が増している」「背中が急に丸くなった」「身長が急に縮んだ気がする」などの変化が見られるときも、いつの間にか起きる圧迫骨折の可能性があります。寝たきり高齢の方は痛みをうまく訴えられないことも少なくないため、表情の変化や身体を動かしたときのしかめ顔、介助のときだけ強く嫌がるなどのサインがあれば、早めに主治医や整形外科への相談が大切です。

配信元: Medical DOC

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