「慢性骨髄性白血病」初期症状はある? 無症状期から現れる身体の変化とは【医師解説】

「慢性骨髄性白血病」初期症状はある? 無症状期から現れる身体の変化とは【医師解説】

慢性骨髄性白血病は、発症初期において目立った症状が現れにくいことが知られています。骨髄では異常な細胞が増え続けているものの、日常生活に支障をきたすような変化に気づかないまま過ごされる方も少なくありません。健康診断で偶然発見されるケースが多いのもこのためです。初期段階における身体の状態や、無症状期から徐々に現れる倦怠感などの変化について詳しく解説します。

山本 佳奈

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)

滋賀医科大学医学部卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科

慢性骨髄性白血病の初期症状と身体の変化

慢性骨髄性白血病の初期段階では、多くの方が無症状であることが知られています。病気の進行がゆっくりであるため、身体の変化に気づきにくいのが特徴です。

初期の白血病細胞は、ある程度成熟する能力を保っているため、正常な白血球と似た働きをします。そのため、感染症にかかりやすくなるなどの明らかな機能不全が起こりにくく、自覚症状に乏しいのです。しかし、水面下では異常な細胞が着実に増え続けており、これが後の症状につながる土台となります。

無症状期における身体の状態

慢性骨髄性白血病の初期では、約30%から50%の方が健康診断や別の病気の検査時に偶然発見されるといわれています。この時期は「慢性期」と呼ばれ、骨髄では異常な白血球が増えているものの、自覚症状はほとんどありません。血液検査で白血球数の増加が認められる程度であり、日常生活に支障をきたすことも少ないでしょう。しかし、身体の中では着実に病気が進行しているため、定期的な健康診断が重要な役割を果たします。

無症状期であっても、骨髄では異常な造血が続いています。正常な血液細胞の産生が徐々に妨げられ、バランスが崩れ始めます。この段階で発見できれば、治療の選択肢も広がり、良好な経過が期待できるでしょう。

また、人によっては微熱が続いたり、寝汗をかいたりすることもあります。これらは白血病細胞が産生するサイトカインという物質の影響や、新陳代謝が異常に活発になることで生じると考えられています。しかし、これらの症状は風邪や更年期障害など他の原因とも考えられやすいため、白血病のサインとして認識されにくいのが実情です。

全身倦怠感や体重減少の現れ方

慢性期から移行期に進むと、全身倦怠感が現れることがあります。理由もなく疲れやすくなり、十分な休息をとっても回復しにくいと感じる方もいらっしゃいます。また、食欲の低下とともに体重が減少することも報告されています。これらの症状は日常のストレスや加齢によるものと混同されやすく、見過ごされることも少なくありません。

体重減少は数ヶ月にわたって緩やかに進行する場合があり、本人も周囲も気づきにくいことがあります。こうした症状が持続する場合は、血液疾患を含む身体の異常が隠れている可能性もあるため、医療機関での評価が勧められます。

まとめ

慢性骨髄性白血病は、初期には症状が現れにくい病気ですが、定期的な健康診断や血液検査が、早期発見につながることがあります。染色体異常によって引き起こされるこの病気は、分子標的薬の登場により治療成績が大きく向上しました。現在では、慢性骨髄性白血病は適切な治療により長期にわたりコントロール可能な慢性疾患と位置づけられています。適切な治療を継続することで、多くの方が通常の日常生活を送りながら病気と向き合うことができます。症状や身体の変化に気づいたときは、早めに医療機関を受診し、専門医に相談することが大切です。治療法の選択肢も広がっており、個々の状況に応じた適切な治療を受けることで、長期にわたる安定した疾患コントロールが期待されています。

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス「慢性骨髄性白血病」

一般社団法人日本血液学会「造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)」

日本成人白血病治療共同研究グループ(JALSG)

慢性骨髄性白血病(CML)の情報サイト

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。