モーニングは、やさしい生活の縮図

この日のモーニングは、たまごサンドとフルーツ、半熟のゆで卵。「今日はこれね」と笑って渡されるトレイには、過不足のない朝が詰まっていた。
毎日メニューは少しずつ違う。サンドウィッチ、ホットサンド、ハムトースト、フレンチトースト……。曜日ごとの“いつもの味”を、楽しみにしている人がいる。
「一人やと材料が余るでしょ?」そんな理由が、ちゃんと町のリズムに馴染んでいる。

常連さんたちは、それを楽しみに通ってくる。“食べる”こと以上に、“今日も変わらずそこにある”ことが、きっと嬉しいのだ。
会話、栄養、安心感。この店のモーニングには、暮らしに必要なものが、さりげなくそろっていた。
「毎日、開けてるんですか?」

モーニングのメニューがずらっと曜日ごとに書かれたボード。月火水木金土日。あれ、定休日がない。
「たまに2〜3回休むけど、基本はね。締めちゃうと、“今日行くとこないやん”って言われるのよ」
ママが、笑いながらそう言った。

それは、ちょっと泣きたくなるくらいあたたかい言葉だった。誰かの「居場所」になることの責任を、軽やかに受け止めている。
「お店を開ける」ということが、このまちにとって、どれだけ意味のあることなのか。ママはきっと、それを肌で知っている。
