昼は、懐かしい味に会える

ゆっくりと朝が終わり、やがてお昼のにおいが漂い始める。今日はオムライスの気分。厨房からは、パチパチと油の音が聞こえる。
運ばれてきたのは、少し破れた薄焼き卵がのった、どこか懐かしい一皿。ご飯は冷凍かもしれない。卵も形は不揃い。でも、それがいい。むしろ、そうであってほしいと思うくらい。
カレーライス、スパゲティ、サンドウィッチ──派手な料理ではないけれど、「帰ってきた」と思わせてくれる味ばかり。まるで田舎のおばあちゃんの家にいるみたいな、そんな安心感がここにはある。
フレンチトーストに会いにいく朝

メニュー表から、明日は大好物の「フレンチトースト」であることに気づく。はやる気持ちを抑えて「11時でも間に合いますか?」と尋ねると、
「少し遅れても作ってあげるよ」と微笑むママ。

その一言が、なんだかすごく嬉しくて、心がふっと軽くなる。ほんの小さな気づかいが、その日一日の表情を変えてしまうことってある。
だから私は、「明日は早起きしよう」と思えた。こんなふうに思わせてくれる喫茶店は、そう多くない。
