「慢性骨髄性白血病」感じる腹部の症状とは?見逃しやすい初期の倦怠感や腹部症状について【医師解説】

「慢性骨髄性白血病」感じる腹部の症状とは?見逃しやすい初期の倦怠感や腹部症状について【医師解説】

本疾患の特徴的な症状として、脾臓が大きくなることが挙げられます。脾臓は左上腹部に位置する臓器であり、異常な白血球が蓄積することで腫れていきます。この腫大により、お腹の張りや圧迫感、食事の際の早期満腹感などを感じる方がいらっしゃいます。腹部に現れる症状を正しく理解することで、早期の医療機関受診につながる可能性があります。ここでは脾臓腫大に伴う具体的な症状をご紹介します。

山本 佳奈

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)

滋賀医科大学医学部卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科

脾臓の腫大と腹部の症状について

慢性骨髄性白血病では、脾臓が腫れることが特徴的な症状の一つとなります。脾臓は左上腹部に位置する臓器であり、異常な白血球が蓄積することで大きくなります。

脾臓腫大による腹部膨満感

脾臓が腫れると、左上腹部に重苦しさや圧迫感を感じることがあります。食事の際に少量しか食べられなくなったり、胃が早く満たされる感覚を覚えたりする方もいらっしゃいます。腹部全体が張ったように感じられ、衣服がきつく感じることもあるでしょう。

脾臓の腫大は慢性骨髄性白血病の方の約50%から70%に認められるといわれています。腫れが大きくなると、横隔膜を押し上げて呼吸に影響を及ぼすこともあります。また、周囲の臓器を圧迫することで、消化不良や便秘などの症状が現れる場合もあります。腹部に違和感を覚えた際には、早めに医療機関を受診することが大切です。

左上腹部の痛みや不快感

脾臓が急速に大きくなると、左上腹部に痛みが生じることがあります。痛みは鈍痛として感じられることが多く、動作や姿勢によって変化することもあります。深呼吸をしたときや、身体を左側に傾けたときに痛みが増すこともあるでしょう。

脾臓の腫大が進行すると、脾臓内で血流の障害が起こり、組織の一部が壊死する「脾梗塞」という状態になることもあります。この場合、突然の鋭い痛みが左上腹部に現れ、発熱を伴うこともあります。このような急性の症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。早期の対応により、合併症のリスクを軽減できる可能性が高まります。

まとめ

慢性骨髄性白血病は、初期には症状が現れにくい病気ですが、定期的な健康診断や血液検査が、早期発見につながることがあります。染色体異常によって引き起こされるこの病気は、分子標的薬の登場により治療成績が大きく向上しました。現在では、慢性骨髄性白血病は適切な治療により長期にわたりコントロール可能な慢性疾患と位置づけられています。適切な治療を継続することで、多くの方が通常の日常生活を送りながら病気と向き合うことができます。症状や身体の変化に気づいたときは、早めに医療機関を受診し、専門医に相談することが大切です。治療法の選択肢も広がっており、個々の状況に応じた適切な治療を受けることで、長期にわたる安定した疾患コントロールが期待されています。

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス「慢性骨髄性白血病」

一般社団法人日本血液学会「造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)」

日本成人白血病治療共同研究グループ(JALSG)

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配信元: Medical DOC

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