インド南部ケララ州コチで、地下鉄の高架支柱の上に1匹の野良猫が取り残されてしまう事件が発生しました。猫がいたのは地上およそ15メートルの高さ。そこでおよそ2週間も動けない状態でした。
地下鉄の支柱で動けずにいた1匹の野良猫
事件が起きたのは、インド南部ケララ州コチを走る「コチ・メトロ」の路線、カルール・ジャワハルラール・ネルー・スタジアム付近でした。
ある日、通勤客が地下鉄の高架橋の支柱を見上げたとき、異変に気づきます。地上から約15メートルの高さにあるコンクリートの小さな出っ張りに、1匹の猫が座り込んでいたのです。
それは街で暮らす野良猫でした。どうやってそこまで登ったのかは分かっていませんが、上りはしたものの降りられなくなってしまったようでした。
猫を目にした通勤客たちは心配し、写真や動画をSNSに投稿しました。その結果、「あの猫を助けてほしい」という声が広がり、地下鉄当局にも救助を求める声が届くようになったそうです。
猫は狭い棚のような場所に座り続けており、自由に動ける状況ではありませんでした。当局は地上からエサを与えようと試みましたが、安全に降ろすことはできません。時間が経つにつれ、「このままでは危険ではないか」という不安が強まっていきます。
そして猫がそこに取り残されてから約2週間が過ぎたころ、当局は本格的な救助作戦を実施することを決断します。
地下鉄を止めて行われた深夜の救出作戦
救助は慎重に計画されました。地下鉄の高架構造物の近くで作業を行うため、安全確保が欠かせなかったからです。
まず救助当日の16時45分ごろ、地下鉄は約17分間にわたって一時運行を停止し、初期対応が行われました。しかし、支柱の形状や高さの問題で、猫へ近づくことがなかなかできません。作業は思うように進まず、救出作業はいったん中断されました。
列車の運行がすべて終了したあと、夜になって救助が再開されます。23時30分ごろには、救助隊員の安全を確保するため、該当区間の電力供給が停止されました。
そして、消防救助隊と動物保護団体の合同チームが、クレーンを使ってゆっくりと支柱へ近づいていきます。
暗い夜空の下、強いライトに照らされた救助作業。慎重な操作が続き、現場には張り詰めた空気が流れていました。そして日が変わった1時30分ごろ──。
救助隊員がついに猫の確保に成功。支柱の上でおよそ2週間も身動きが取れなかった野良猫は無事、地上へ降ろされました。多くの人が固唾をのんで見守り、救出が成功した瞬間には大きな歓声が広がりました。
その後、猫は獣医病院へ運ばれ、健康状態の確認と必要な治療を受けたといいます。

