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「まいひなペイ」「CG導入」中学生が地域活性をガチで考えた!カードゲームで学ぶ“業種連携”キャリア教育授業に潜入

「業種連携」のシミュレーションを体験して、社会を知る

2時間目は、ゲームの振り返りを踏まえ、業種を越えた連携や仕事を通じた多様な社会参画について学び、自己の生き方やキャリアを考えます。

今回はカードで実践しましたが、実際に長野県松本市では「ばーちゃるまつもと」としてこうした取り組みを行っていると、講師が解説します。

たとえば、「味噌蔵を再建して販売するという施策があった」とのこと。「味噌を作る仕事=製造業と、味噌蔵のCG画像を作る仕事=映像CG制作業、そして、味噌の販売サイトを運営する仕事、3つが協力して特産品である味噌の発信を行った」結果、「松本市を訪れる人が増えた」という成果があったそうです。

このように異業種で協力して施策を進めることを「業種連携」といいます。今日、生徒たちは、カードゲームを通じて「業種連携」のシミュレーションをしたのです。

先ほどのゲームで、生徒たちの“まいひな市”はどんな成果が得られたのか、ワークシートに記入していきます。

思い思いに自由に書き進めたり、見せ合いながら書いたり、すらすらと筆を進める生徒たち。教室を見まわしても、手が止まっている生徒はいないようです。

書き終えた後、班ごとに代表者1人による成果発表がありました。

「地産地消でコストが減りました」
「トラックを使うことにより、食材が予定通りに届いて仕事がうまくいきました」

など、班の個性が際立つさまざまな成果が発表されました。

ここでまた、講師が身近な例を出し、生徒たちを驚かせます。

「チョークについて調べた学校があるんです。チョークにかかわっているのは、何社くらいだと思いますか?」

生徒たちからは「5?」「10!」という声が。

「20社です。チョーク1本作るのに、こんなにもたくさんの業種がかかわっているんです」

という答えに「えーーー!」と、驚きの声で教室が沸いていました。

次に、4人の市民それぞれがどんな仕事をしたのかを班ごとに考え、発表していきます。生徒たちはそれぞれ積極的に意見を出し合い、情報を共有し合っていました。

自ら考え実践し、話し合ったことで理解が深まったからか、発表の内容は充実。

「工事や修理などを長い期間行ったことで業種同士の関係性が深まり、ホテルができたことで観光客が来て、地域の活性化につながりました」
「製造業で造った薬を小売業で売り、そのお店で"まいひなペイ”を使えるようにすることで、たまったポイントでものを買って地域活性化に繋がりました」
「CGを導入することでミュージアムのクオリティが上がり、ミュージアム近くの飲食店にも人が入り、賑やかになりました。そうするとミュージアムの偉い人の知名度も上がります」

それぞれの視点で自ら出した答えに、講師もスタッフも「なるほど!」「おもしろい視点!」「正直、みんなすごいなと思いました」と感心。

そして最後に、獲得したポイントを配分します。4つの業種にかかわるエリアにどのようにポイントを配分するかを、班でそれぞれ考えるのです。

「すべて大切な仕事だから」と均等に分けた班、「ここが抜きん出たほうが、一番地域が活性化しそうだから」とショッピングモールエリアにベットした班、「住みごこちがよくないと、そもそも人が寄ってこないから」とウェルネスエリアに多く振り分けた班、「もっとポイントがあれば、コミュニティエリアを増やして地域の人たちの交流を深めたかった」と話していた班もありました。

この発表を通じて、「仕事が活性化すると社会も盛り上がることを知ってほしかった」と講師が話します。
私たちの社会は、多くの仕事と人で成り立っているーーそうした事実をより実践的に学ぶことで、生徒たちは将来へのイメージがより鮮明になったようでした。

「仕事が1万以上あるなんて知らなかった」

2時間の授業を終え、生徒2人と進路担当教師の方にインタビューを行いました。

――まずは、今日の感想を教えてください。

生徒Aさん「1万以上の種類の職業があることを初めて知って驚いて、これからいろんな職業に出会っていきたいなと思いました」

生徒Bさん「私も驚きました。自分がいままでやりたいなと思っていた業種の中にも、まだまだ知らないものがあるんだなと、改めて感じました」

――ゲームの内容はいかがでしたか?

生徒Aさん「たくさんの職業が知れて、楽しみながら勉強できてよかったです」

生徒Bさん「カードゲーム式で、業種や職種を知ることで学びが深まりました」

――授業を通して、もっとも興味が惹かれたのはどの部分でしたか?

生徒Aさん「カードを引いて業種が揃ったときに、『この仕事ってこの業種なんだ!』みたいなことを知った瞬間です」

生徒Bさん「2時間目の振り返りで、『この仕事とこの仕事を合わせると、こうなるんだ』と繋がりがわかったとき、めちゃくちゃ学びになったなと思いました」

――先生にもお聞きします。今日の授業で、生徒たちの様子はいかがでしたか?

先生「カードゲームを通じて、非常に楽しく社会の課題を解決するために話し合ったり、アイディアを出し合ったりしていました。そんな中で、いろいろな職業や業種が社会を支えていることが実感できたんじゃないかと、生徒の様子を見て思いましたね。なによりみんな、純粋に楽しんでいました。中学生にとって"キャリア”はまだまだ先のことですが、中学生の段階でキャリア教育をすることの大切さを実感しました」

――仕事の前に高校受験がありますもんね。

先生「私自身進路担当ですが、中学生にとって親子ともに高校進学や受験に気持ちが向いていると思います。ですが、それは通過点なので、その先に就職があり、しかもそれを一生やっていくと決まるわけでもなく、社会人になってからも『自分は将来どんな仕事をしようか』『どうやって社会に貢献しようか』と悩んだりするテーマなんだよと伝えています。そういった広い視点で捉えられるような取り組みをしたいなと思い、その一環として『カードゲームで学ぶキャリア図鑑』を活用しました」

――どんな経緯で『カードゲームで学ぶキャリア図鑑』を採用したのでしょう。

先生「ひとつ上の学年からやらせていただいているんです。これまでも、2年生は職業体験があったり、外部の方に来ていただいての講習がありましたが、こういったゲーム感覚でキャリアを教えるのっていままであまりないかなと思い、去年から採用させていただきました。日頃の授業はメリハリがないようなところもあるので、こうして外部の方が授業を展開してくださるのは、とてもいい刺激になったと思います」

――昨年は『カードゲームで学ぶキャリア図鑑』をどうやって知ったのでしょうか。

先生「担当者がマイナビさんのホームページで見つけたことがきっかけです。講演となると寝ちゃったり、聞き慣れない言葉がたくさん出てきて話を整理するのが難しくて、退屈になってしまう生徒もいるんですが、昨年の担当者からは『カードゲームはそういった生徒も含めて主体的に共同的に取り組むことができてよかった』と聞いていました。それで、『ぜひ今年も!』ということになりました」

ゲームを通じてキャリアを学んだ子どもたちの目には、選択肢無限大の未来へのわくわくが宿っていたのでした。

(写真・文:有山千春、編集:マイナビ子育て編集部)

配信元: マイナビ子育て

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