物語後半での印象的なシーンが目立つトキの幼馴染・野津サワ(円井わん)と、ヘブンの良き理解者・錦織友一(吉沢亮)に焦点を当て、本作の制作統括を務める橋爪國臣氏に話を聞いた。感情移入しやすいサワの存在
サワは英語教師・庄田多吉(濱正悟)と仲を深めたり、トキとの関係がギクシャクしたりするなど、スポットライトが度々当たっている。そもそもサワというキャラクターをどのように捉えているのかを聞くと、「おそらく、一番感情移入しやすいキャラなんです」と話す。「松野家の人たちは現代人とは違う考え方を持っていて、視聴者からすれば理解・共感できない行動も多いのかなと思います。多額の借金を背負っていることで、トキは毎日馬車馬のごとく働かされて、『こんな家、出ていってしまえばいいのに』と思った人も少なくなかったはずです。一方、サワは現代的かなと。正規の教員になって自立しようとする姿勢は、今では珍しくありませんが、当時からすればかなり先鋭的な生き方だと思います」
サワはある意味“朝ドラヒロイン”的ではあるとしつつも、「そういった女性ばかりではないよね」ということを本作で示したかったという。「正しい道は人それぞれです。そういう生き方を選んだ女性も、選ばなかった女性も、各々が思う幸せの道を歩いているのだろう、と思ってもらえたら嬉しいです」
錦織は「恨めしさ」を抱えた男
後半の大きな見どころとして、やはり錦織に触れないわけにはいかない。橋爪氏は錦織について「本当に“恨めしさ”を抱えている人物なんです」と話す。「第4週でトキが錦織と初めて会ったとき、そこには錦織と庄田のほかに2人の学生もいました。彼らは将来、総理大臣になる男性と、“オリンピックの父”になる男性だという設定があります。錦織はそんな人たちからも一目置かれ、大盤石な人生と評されるほど圧倒的な才能の持ち主です。しかし、現在は地方で一介の教師をしている。こうした現状に対する不満をあらわにはしませんが、鬱屈した思いがあるはずです」
心情がイマイチわからない男性ではあるが、「実は錦織が『何をしたいのか』『何を生きがいにしているのか』というのは最初から描いていて、本作の裏テーマでもあったりします」と語る。「実力はあるけど認められなかった人、努力をしたけど上手くいかなかった人はたくさんいます。それでも、自分の中の何かを達成して生きている人もいて、そんな人の生き様が錦織という人物に詰まっています。そのことが、第23週ごろ(3月9日~)に錦織の口からいろいろ語られるので、注目してもらえると嬉しいです」

