手絞りでスワンを模した繊細なクッキー

フランス人のアンドレ・ルコント氏が1968年に創業した「ルコント」は、日本に本格的なフランス菓子を広めた店。スワンの形のシュークリームが好物で、いったいいくつ食べたことか。しかしながらルコントは、惜しまれながら閉店。その後、拠り所にしているのが、世田谷区太子堂の「オクトーブル」。ルコント氏に師事し、フランスのパティスリーでも修業を積んだ神田智興シェフに、スワンシューはじめ伝統の味が受け継がれています。

日本流のフランス菓子に、スワンのデザインを用いたものが多いのも、ルコント氏の功績が影響しているはず。そうして神田シェフもオリジナルの、スワン形のクッキーを生み出しました。首も羽も美しく弧を描き、華麗な姿を手絞りの技術で表現した繊細なクッキー。種類は、プレーン、チョコレート、スパイス、コーヒー、ジャスミン、イチゴの6種類。口にすればふくよかな余韻を残します。おやつの時間にクラシックをよく聴く私は、お菓子に合わせてバレエ音楽として知られるチャイコフスキー『白鳥の湖』を流しながら、優雅な心地で味わいました。
取材・文/甲斐みのり
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