スッキリしないお腹にアプローチ。「胃腸炎」後の回復を助けるプロバイオティクスの活用術

スッキリしないお腹にアプローチ。「胃腸炎」後の回復を助けるプロバイオティクスの活用術

胃腸炎によってダメージを受けた腸内環境を整えることは、消化機能の正常化と免疫力の回復に重要な役割を果たします。プロバイオティクスやプレバイオティクスを含む食品の摂取は、腸内細菌叢のバランスを改善し、下痢症状の早期改善に寄与する可能性があります。本章では、必要な栄養素の補給方法と腸内環境を整える具体的なアプローチについて解説します。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

腸内環境の回復とプロバイオティクスの活用

胃腸炎からの回復期には、失われた栄養素を適切に補給し、ダメージを受けた腸内環境を整えることが重要です。

必要な栄養素の段階的な補給

胃腸炎からの回復には、まずエネルギー源となる炭水化物の十分な摂取が必要です。おかゆやうどんなどから始め、徐々にご飯やパンなど通常の主食に戻していきます。炭水化物は消化吸収が比較的容易で、体力回復の基盤となります。たんぱく質は組織の修復や免疫機能の維持に不可欠です。
ビタミンとミネラルの補給も重要です。下痢によってカリウムが失われるため、バナナやじゃがいも、煮た野菜などから補給します。ビタミンB群はエネルギー代謝に関与し、回復期には特に重要です。
亜鉛は味覚の正常化や免疫機能の維持に関わり、胃腸炎後は不足しがちな栄養素です。鉄分も下痢による出血で失われることがあり、赤身の魚や肉、ほうれん草などから補給します。

腸内細菌叢を整える食品の選択

プロバイオティクスとは、適切な量を摂取することで宿主に健康上の利益をもたらす生きた微生物のことです。ビフィズス菌や乳酸菌がその代表例であり、胃腸炎後の腸内環境の回復に役立つ可能性があります。胃腸炎によって腸内細菌叢のバランスが崩れると、下痢が長引いたり、消化機能の回復が遅れたりすることがあります。
プロバイオティクスを含む食品として、ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、味噌、キムチなどがあります。ただし、胃腸炎の急性期には乳製品が合わないこともあるため、症状が落ち着いてから少量ずつ試すことが推奨されます。ヨーグルトを選ぶ際は、砂糖が少なくプレーンに近いものを選び、最初は小さじ1杯程度から始めると良いでしょう。
プロバイオティクス製剤やサプリメントも市販されており、整腸剤として利用できます。これらは副作用が少なく、比較的安全に使用できますが、免疫不全のある方や重症の方は医師に相談してから使用することが望ましいです。

継続的な腸内環境の維持方法

腸内環境の回復には時間がかかることを理解し、焦らず継続的にプロバイオティクスやプレバイオティクスを含む食品を摂取することが大切です。バランスの取れた食事と適度な運動、十分な睡眠も腸内環境の改善に寄与します。運動は腸の蠕動運動を促進し、便通を整える効果があるとされています。
発酵食品を日常的に取り入れることも、腸内環境の維持に効果的です。納豆や味噌、ぬか漬けなど、日本の伝統的な発酵食品には多様な乳酸菌が含まれており、腸内細菌の多様性を高めることに貢献します。

まとめ

胃腸炎は原因となる病原体によって潜伏期間や症状が異なり、適切な対処法も変わってきます。ウイルス性胃腸炎は感染力が強く集団感染を起こしやすい一方、細菌性胃腸炎は食品衛生管理で予防できることが多いです。症状が現れたら脱水予防を優先とし、無理な食事は避けて段階的に回復を図りましょう。仕事復帰は症状消失後も慎重に判断し、特に食品を扱う職種では十分な期間を置くことが重要です。症状が重い場合や改善しない場合は、早めに医療機関を受診し、専門的な診断と治療を受けることをおすすめします。職場復帰後も感染予防行動を継続し、組織全体で衛生管理体制を整えることが、安全な環境づくりにつながります。

参考文献

厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」

厚生労働省「食中毒」

東京都感染症情報センター「感染性胃腸炎」

配信元: Medical DOC

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