献血で行われる血液検査では何がわかる?メディカルドック監修医が、検査項目や結果の確認方法、健康管理に役立てるメリットと注意点を解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
「献血」とはどのような制度?
献血は、病気やけがの治療に必要な血液を確保するための社会的な医療制度です。日本では日本赤十字社が中心となって運営しており、安全性を確保するために厳格な基準のもとで実施されています。
献血の目的と種類(全血献血・成分献血)
献血の目的は、輸血を必要とする患者さんへ安全な血液を安定的に届けることです。献血には、血液をそのまま採血する「全血献血」と、血漿や血小板など特定の成分のみを採取する「成分献血」があります。医療現場の需要に応じて使い分けられています。
献血ができる人の条件
献血には年齢、体重、健康状態などの基準があります。安全な輸血製剤を確保するため、採血基準は法令や指針に基づき定められています。
全血献血では、200mLと400mLで対象年齢や体重条件が異なり、400mL献血は体重50kg以上が目安です。成分献血は血漿や血小板のみを採取するため、一定の血小板数や総タンパク値などが基準を満たしている必要があります。いずれも事前の問診、医師の診察、ヘモグロビン測定などを経て、安全が確認された場合にのみ実施されます。妊娠中・授乳中の方や、特定の既往歴がある場合などは献血できません。
献血を受けることのメリットは?
最大の意義は社会貢献ですが、献血後には血液検査結果の通知サービスがあります。血球数や肝機能などの数値を知ることで、自身の健康状態を振り返るきっかけになります。ただし、検査目的での利用は認められていません。
一度献血をしたら次に受けられるのはいつ?間隔の理由
献血後は体内の血液成分が回復するまで一定期間を空ける必要があります。
全血献血の場合、200mLと400mLで間隔が異なり、特に400mL献血では男性では前回から少なくとも12週間以上、女性では16週間以上空けることが求められます。これは赤血球や鉄分の回復に時間がかかるためです。
一方、成分献血は赤血球を体内へ戻すため回復が比較的早く、血漿成分献血では男女ともに2週間程度の間隔で可能とされています。
これらの基準は、献血者の貧血や体調不良を防ぐために設けられています。
献血前には何を検査する?血液検査などでわかること
献血前には、安全に採血できるかどうかを確認するための検査が行われます。これは献血者の健康管理と、輸血を受ける患者さんの安全確保の両面を目的としています。
生化学検査
生化学検査では、ALT(GPT)などの肝機能項目や総タンパクなどを確認します。これにより肝機能異常の有無などが把握されます。異常値がある場合は献血が見送られることがあります。
血球計数検査
赤血球数、白血球数、血小板数などを測定します。貧血の有無や感染症の可能性などを確認するための基本的な検査です。基準値を外れている場合、安全面から献血ができません。
血液型
ABO式血液型およびRh式血液型が確認されます。過去に献血歴がある場合は登録情報と照合されます。初回献血時には自分の血液型を知る機会にもなります。
ヘモグロビン濃度測定
採血前には指先などから少量の血液を採取し、ヘモグロビン濃度を測定します。基準値未満の場合は貧血の可能性があるため、献血は行われません。
血圧
献血当日の体調確認として血圧測定が行われます。極端な高血圧や低血圧の場合は安全確保のため見送られます。

