糖尿病による皮膚病変の治療法と対処法

糖尿病による皮膚病変の治療法を教えてください
糖尿病による皮膚病変の治療は、症状やその原因に応じて次のような治療が行われます。
水虫などの真菌感染や細菌感染がみられる場合には、抗真菌薬や抗菌薬を用いて治療を行います。症状の程度によっては、外用薬だけでなく、内服薬や点滴治療が必要になることもあります。
感染や血流障害により皮膚が壊死している場合には、壊死した組織を取り除くデブリードマンが行われます。これにより、感染の拡大を防ぎ、傷の治癒を促します。
さらに、これらの治療効果を高め、再発を防ぐためには、血糖値の適切なコントロールが欠かせません。
参照:『糖尿病性皮膚潰瘍・壊疽診療ガイドライン(第3版)』(日本皮膚科学会)
皮膚病変がみられるときの生活上の注意点はありますか?
皮膚病変がみられる場合は、皮膚の状態に変わりがないか、毎日観察しましょう。痛みや傷がある部分は清潔を保ち、強くこすったり刺激を与えたりしないことも大切です。
また異変を感じた場合に、自己判断で処置すると悪化の原因になります。速やかに医療機関を受診して、適切な処置を受けましょう。
糖尿病で皮膚を変化させないために自分でできることはありますか?
糖尿病による皮膚の変化を防ぐためには、日頃からこまめにケアすることが大切です。具体的には、次のような点を意識しましょう。
皮膚を清潔に保つ
皮膚の保湿を行う
爪を切りすぎない
自分に合った靴を履く
靴下を履いて、傷から足を守る
まず、皮膚は清潔に保ちましょう。毎日身体を洗い、汗や汚れを落とすことで感染症の予防につながります。皮膚が乾燥している場合は、入浴後に保湿剤を塗ります。ただし、指の間は、湿って水虫の原因になることがあるため、保湿剤の塗布は避けましょう。
爪を切る際は、深く切りすぎないことがポイントです。深爪や巻き爪は傷の原因になるため、角を残してまっすぐ切り、傷や巻き爪を防ぎましょう。
さらに、サイズの合わない靴や素足での生活は、靴擦れやケガのもとです。靴は、つま先に1cm程度の余裕があり、足の形に合ったものを選びましょう。また、神経障害により感覚が鈍くなっている場合があります。靴を履く前には小石や異物が入っていないかを必ず確認しましょう。室内では靴下を履くように心がけて、足を傷から守りましょう。
また、先述したとおり、毎日の皮膚の状態を観察して、異常に気付いたら医療機関に相談することも大切です。こうした日常の心がけが、皮膚トラブルの予防につながります。
参照:『フットケア』(国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター)
編集部まとめ

糖尿病になると、血糖値の影響で皮膚の乾燥やかゆみ、感染症などのトラブルが起こることがあります。ただし、これらの症状は、適切な血糖値のコントロールや治療により、改善が期待できます。さらに、毎日皮膚を観察する、足を清潔に保つなどのフットケアがトラブルの予防につながります。皮膚の小さな変化を見逃さず、皮膚の赤みや腫れ、治らない傷がある場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
参考文献
『糖尿病に伴う皮膚感染症と足病変』(日本環境感染学会誌 Vol.32 No.6)
『フットケア』(国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター)
『糖尿病性神経障害の診断』(現代医学 66巻 2号)
『動脈硬化疾患とは?』(一般社団法人日本動脈硬化学会)
『蜂窩織炎(ほうかしきえん)』(東京都健康長寿医療センター)
『糖尿病と皮膚』(川崎医科大学 総合医療センター)
『糖尿病性皮膚潰瘍・壊疽診療ガイドライン(第3版)』(日本皮膚科学会)

