外食先で、思わず居心地が悪くなるような瞬間に遭遇したことはありませんか? これは筆者の知人Aさんから聞いた話です。楽しい時間になるはずだった家族での外食。しかし、そこで目にした光景は「公共の場での子育て」について考えさせられるものでした。
子どもも店内も凍りついた
家族で回転寿司に行った時の話です。最初は楽しく食事をしていた私たちでしたが、隣のテーブルに別の家族がやってきた瞬間、突然ピンと張り詰めた空気に包まれました。
「グズグズしてねぇで早くメニュー決めろ!」と父親が子どもに向かって大声で叱り始めたのです。お寿司が届いたと思ったら、「なんでそんなに汚すんだよ! もうお前らは連れてこない!」と声を荒げていました。
泣きながら急かされるようにお寿司を食べる子どもたち。母親はスマホを見続け、無関心な様子です。一気に緊張感に包まれた店内。私をはじめ、周囲のお客さまも視線を落とし、どう声をかけていいか分からず見ないふりをしていました。
高齢男性の思いがけない一言
そんな中、家族の後ろに座っていた高齢の男性が、父親に向かって穏やかな口調で声をかけました。
「もういいじゃないですか。子どもなんて汚すのが仕事みたいなものですよ。せっかくの外食なんですから、そんなにカリカリしなくても」
男性の言葉には不思議な説得力があり、周囲の視線が父親に集まりました。父親は一瞬目を伏せましたが、子どもたちに向ける表情が少しだけ柔らかくなったのです。
その後、嬉しそうにお寿司をほおばる子どもたちの様子に、店内の空気もふと和みました。

