家が建てられなくなる? 深刻化する「大工」の人手不足と高齢化 人材育成に乗り出す企業も

家が建てられなくなる? 深刻化する「大工」の人手不足と高齢化 人材育成に乗り出す企業も

なり手を増やす! 国や企業の取り組み

 このような現状をなんとか打開しようと、政府や関連団体、企業は、さまざまな取り組みに尽力しています。

国の施策

 国土交通省では、大工をはじめとする技能労働者の処遇改善や、女性の定着に向けて現状の調査や啓発に取り組んでいます。具体的には、保険加入に悩む一人親方へのフォロー体制の整備、企業に対する一定の賃金水準確保の要請などで、労働環境の改善を図っています。

 また女性の定着に向けて、2025年3月に「建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画」を策定。広報、採用、現場環境などをどうすべきかの具体的な事例集などを作成して、各企業へ取り組みの呼びかけを行っています(参照:国土交通省「建設産業における女性の定着促進に向けた取組について」)。

企業の取り組み

 なり手が減少する中で、政府だけでなく企業も独自で大工の人材育成に取り組んでいます。内容はさまざまですが、なかには住友林業グループのように、自社で建築技術を学ぶための職業訓練校を設立して、自社の人材確保につなげようとしている企業もあるようです。ほかにも、外部研修や意見交換へ積極的に参加し環境改善を目指すなど、各企業がさまざまな方法で人材確保に向けた努力を行っています。

業界全体での取り組みに期待

 建築業界が抱える深刻な大工不足。このまま放置すれば、家が建てられない、リフォームや補修ができないといった事態にもなりかねません。労働環境や技術継承など、大工が不足している原因は多岐にわたっています。現在はそれらの問題を改善し、なり手を増やそうと、業界全体でさまざま取り組みが進められている段階です。これによって希望者が増加すれば、多くの若手や女性の大工が活躍する未来が訪れるかもしれません。

配信元: ねとらぼ

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