尿にタンパクが出たら危ない? 「糖尿病」で確認すべき3つの重要検査数値を医師が解説

尿にタンパクが出たら危ない? 「糖尿病」で確認すべき3つの重要検査数値を医師が解説

血糖値やHbA1c以外にも、糖尿病に関連する検査項目は複数存在し、それぞれが異なる側面から身体の状態を教えてくれます。尿検査や脂質検査、肝機能検査などを総合的に評価することで、合併症の早期発見や治療方針の調整が可能となります。

井筒 琢磨

監修医師:
井筒 琢磨(医師)

江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

検査数値から読み取る身体の変化

血糖値やHbA1c以外にも、糖尿病に関連する検査項目は複数存在します。これらを総合的に評価することで、合併症のリスクや治療方針を判断します。

尿検査で確認する糖と蛋白

尿検査では、尿中に排泄される糖や蛋白の有無を調べます。健康な状態では、血糖値が腎臓の再吸収能力を超えない限り、尿中に糖は出現しません。一般的に血糖値が170mg/dL程度を超えると尿糖が陽性となり、血糖管理の悪化を示唆します。
尿蛋白の検出は、糖尿病性腎症の早期発見に重要です。初期段階では微量アルブミン尿として現れ、この段階で適切な治療介入を行えば、腎機能の悪化を遅らせることが期待できます。尿検査は簡便で負担が少ないため、定期的なスクリーニングに適しています。

脂質や肝機能の評価

糖尿病は脂質代謝異常を伴いやすく、動脈硬化性疾患のリスクを高めます。そのため、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)の測定が定期的に行われます。LDLコレステロールの目標値は、動脈硬化性疾患の有無などのリスクにより異なり、100mg/dL未満、あるいはより厳格な管理が必要な場合もあります。
また、肝機能を示すAST(GOT)やALT(GPT)、γ-GTPの測定も重要です。糖尿病の方は代謝関連脂肪肝炎(MASLD)を合併しやすく、これらの数値が上昇する場合があります。肝機能の悪化は全身の代謝に影響を与えるため、早期の対処が求められます。

まとめ

糖尿病は一度発症すると、完全に治癒することは難しいとされています。しかし、適切な食事管理、定期的な検査、必要に応じたインスリン療法や薬物治療により、血糖値を良好に管理し、合併症の発症や進行を防ぐことは十分に可能です。三大疾病のリスクを低減し、低血糖症状への対処法を身につけることで、安全で質の高い日常生活を送ることができます。自己判断で治療を中断せず、定期的に医療機関を受診し、専門家の助言を受けながら管理を続けていくことが大切です。

参考文献

厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」

日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン 2024」

糖尿病情報センター(国立国際医療研究センター)「糖尿病とは」

公益社団法人日本糖尿病協会「糖尿病とは」

配信元: Medical DOC

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