父を自宅で介護していたころの出来事です。今でも思い出すたびに、胸がぎゅっと締めつけられます。「あのとき、どうして私は……」という後悔が、何度も頭をよぎるのです。
かろうじて動けていた父
父は肺がんが脳に転移し、腫瘍の影響で左半身が徐々に不自由になっていきました。それでも当時は、まだなんとか自分の力で動くことができていました。
私は自宅で父を介護していました。ある日、どうしても外せない用事があり、買い物に出かけることに。父は「ひとりで大丈夫だから」と言い、私は「何かあったら、すぐ電話してね」と伝えて家を出ました。用事をまとめて済ませるつもりだったため、2〜3時間ほど家を空けていました。
帰宅後に目にした光景
用事を終えて帰宅し、家の中に入った瞬間、胸騒ぎがしました。トイレのほうへ向かうと、父がトイレと壁の間に挟まるようにして倒れていたのです。運悪く、不自由になっていた左側を下にして倒れてしまっていたため、自力で起き上がることができなかったといいます。
「倒れてから、どれくらいたったの?」と聞くと、父は静かに「多分、3時間くらい……」と答えました。トイレに入る際、電話は持っていなかったそうです。そのため、私に連絡をすることもできなかったのです。

