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「事業投資型クラウドファンディング」が、なぜこれからの時代に必要とされるのか?AIの登場で「お客さん」が変化していることに気づけ!|西野亮廣

「事業投資型クラウドファンディング」が、なぜこれからの時代に必要とされるのか?AIの登場で「お客さん」が変化していることに気づけ!|西野亮廣

キングコング西野亮廣さんのビジネス書最新刊『北極星 僕たちはどう働くか』が、ついに発売!

西野さんが最近たびたび話題にしている「事業投資型クラウドファンディング」とはいかなるものなのか?
AIが浸透し、「お客さん」の姿勢や志向が明らかに変わってきている今、これを理解していないと、重要な選択肢を失うことになる!

本書には事業投資型クラウドファンディングについても、解説している。その一部を、公開!

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作り手よりも「お客さん」が急速に進化している

2026年春、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』が公開される。前作は、コロナ禍という厳しい環境下での公開にもかかわらず、196万人を動員した。その実績もあり、今作に寄せられる関係者の期待は高まっている。

一方で、製作委員会の幹事を務め、製作総指揮として現場を預かり、なおかつ参加企業の中で最も大きな製作費を投じている会社(CHIMNEY TOWN)の代表という立場にある身としては、決して楽観できる状況ではない。

今回、弊社が拠出した金額は、広告宣伝費を含めて9億円超にのぼる。この数字が示す責任の重さは、想像に難くないだろう。

少しでも気を抜くとハゲ散らかしそうだ。そうした背景もあり、今日も一人でも多くのお客さんに映画館へ足を運んでいただくため、現場を奔走している。

さて。

こうして毎日お客さんと接していると、ある“変化”に気づく。

現代のお客さんは、「作りたがっている」のだ。

『北極星 僕たちはどう生きるか』第1章より

変化の始まりは、10年以上前。皆がSNS(旧ツイッター)を日常的に手にした頃だった。

当時、イベントのチケットを、安い順に「B席」「A席」「S席」「スタッフになれる権」といった形で販売してみたところ、どのイベントでも、最初に完売したのは、決まって一番高い「スタッフになれる権」だった。

SNSという承認欲求を満たしてくれるツールを手にしたお客さんは、「受

信」ではなく、「発信」の質にお金を使うようになり、「いいね」や「フォロワー数」を追いかけ始めた。

彼らは何者かになりたがっていた。

彼らは「役割」を求めていた。

そして彼らは、「あなたが必要です」と言ってくれるコンテンツを探していた。

その当時出版した書籍にはこう書いている。

……絵本『えんとつ町のプぺル』の宣伝として、もっともハマった打ち手は「『えんとつ町のプぺル 光る絵本展』の開催権利の販売」だった。

新作絵本のPRとしておこなう「個展」の開催権利を一般のお客さんに開放したのだ。

会社からは「素人さんに作品の管理がキチンとできるとは思えません。作品に傷がついたらどうするんですか? もし、盗まれたらどうするんですか?」と叱られたが、盗まれたら最高だ。

広告費ゼロ円で全国ニュースになるじゃないか。

そもそも『えんとつ町のプペル』を知っていただくことが目的なんだろう。

個展の開催権利は30万円で販売した。

1ヶ月間自由に絵を使っていただいて、入場料を取るも取らないも自由。

関連グッズの制作も自由。

グッズの売り上げは全額持っていっていただいてOK。

ちなみに特典として、僕のトークショーも付けた。

もちろん、トークショーのチケット代も全額どうぞどうぞ。

当たり前だ。『えんとつ町のプぺル』で生活する人(稼ぐ人)が増えれば増えるほど、『えんとつ町のプぺル』が広まるのだから。

さて、この「個展の開催権利」には面白い動きが起こった。

なんと「個展の開催権利を買いたい」というクラウドファンディングが各地で立ち上がったのだ。

今の時代、面白い看板があれば写真に撮ってインスタグラムにアップし、政治に意見したければツイッターで呟き、感動したことがあればフェイスブックに書き、日記はブログに書く。

それをなりわい生業にしているか否かの違いはあれど、国民総クリエイターだ。

クリエイターに軸足は置かないまでも、時々趣味で「作り手」の側に回ろうとする『セカンドクリエイター』(ラジオで言うハガキ職人)層が一気に増えた。これからの時代は、この『セカンドクリエイター』の創作心をいかに揺さぶるか。いかに「作ってみたい」と思わせるか。

そこがヒットの鍵だ。

『革命のファンファーレ ~現代のお金と広告~』(西野亮廣/幻冬舎)より ※一部編集

生成AIの登場による加速

『セカンドクリエイター』の創造に努めた10年だった。

クラウドファンディング文化やオンラインサロン文化の立ち上げもその一つ。

「作れる権利」や「スタッフになれる権利」のチケットを出した際、世間からは「信者ビジネス」と揶揄(やゆ)されたこともあったが、「80億人に届ける0 0 0 エンターテインメント」ではなく、「80億人で作る(00)エンターテインメント」を生み出した者が、次代のエンタメの主導権を握ることは、もう分かっていた。

人は、他者が用意した完成品よりも、自分の意思や時間を投じたものに、自然と高い価値を感じるからだ。

娘のピアノの発表会に向かう親のように。

そして、この『セカンドクリエイター』は、生成AIの登場によって一気に臨界点を超えた。

作ることは一部の専門家の特権ではなくなり、ついに80億人が「作り手」となった。もはや「純度100%の受信者(お客さん)」は存在しない。

同時に、「クリエイティブ」や「クオリティー」といった言葉が示してきた従来の価値は、猛スピードで無効化(000)され、創造の在り方そのものを見直す季節に入った。「その道30年のプロが描いたイラスト」よりも、「小学生が生成AIを使って生み出したイラスト」が評価される――そんな逆転が珍しくなくなったこの時代に、“自分が関与していない作品”に、以前と同じ熱量で価値を見出すことは難しい。

そんな2026年に「一部の専門家だけが集まって作る映画」が果たして届くのだろうか?

とはいえ、アニメーション制作は“今のところは”まだ専門職で、一般の方がAIという魔法を手に入れたからといって、おいそれと立ち入れる領域ではない。

 

であれば、「自分が関与していない作品には興味が持てなくなった彼ら」を、映画作りのどこに参加させるのか?

答えはある。

 

『事業投資型クラウドファンディング』という提案だ。

(ではいったい、「事業投資型クラウドファンディング」とはどういうものなのか?具体的な話は『北極星 僕たちはどう働くか』にて!

配信元: 幻冬舎plus

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