
全曲のオーケストラアレンジを手掛け、初回からステージをともにしている藤原いくろうさんの指揮のもと、東京文化会館大ホール、東京芸術劇場コンサートホール、兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールの3会場で、それぞれ異なるオーケストラとの共演が実現。これまで共演を重ねてきたパシフィックフィルハーモニア東京に加え、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、兵庫芸術文化センター管弦楽団が初登壇する。
BEYOOOOONDSの平井美葉さん、小林萌花さん、里吉うたのさんと、指揮者・藤原いくろうさんの4人が、進化を続ける「BEYOOOOOPHONIC」の魅力と今年の意気込みを語った。
■「パズルのピース」が生み出す奇跡の化学反応
藤原さんは、BEYOOOOONDSのメンバーを「パズルのピース」と表現する。「クラシックが得意な子、ダンサブルな要素が得意な子、歌が得意な子といろんな形のピースがあって、そこにクラシックテイストを加えることで、パズルの完成形も全然変わる。そこをどう組み合わせるかが、僕の『BEYOOOOOPHONIC』における醍醐味」と語る。

平井さんは「生演奏だからこその息遣いとか呼吸ひとつにも神経質になるような、そういう繊細な感じを体験できるのは『BEYOOOOOPHONIC』だけ。私たちも生モノ感をより大事にしてパフォーマンスできている」と、オーケストラとの共演ならではの緊張感と高揚感を明かす。
■“クラシックとアイドルの融合”を一番表現できる舞台
小林さんは「私は普段からピアノを弾くことも多いんですけど、聴いてくださる皆さんに『クラシックって素敵なんだよ』ってことを広めたいという思いを持っていて。『BEYOOOOOPHONIC』はまさに私の求めていた"クラシックとアイドルの融合"を一番表現できる舞台」と目を輝かせる。
里吉さんは「私たちも楽器のひとつとしてコンサートを届けられるのはすごくうれしい。BEYOOOOONDSは本当にいろんなタイプの曲をやっていて、アイドルのイメージを超えて、オーケストラの皆さんとのコラボを毎年の定番にできているのはBEYOOOOONDSらしさの極致」と、グループの強みを語る。

■ハムカツ片手に指揮!?オーケストラも思わず笑顔になる異色のステージ
過去2回の公演で印象的だった楽曲について、里吉さんは「『OOOOOVERTURE』で私たちがオーケストラの皆さんの間に入っていって、奏者の皆さんを一人ずつ紹介できることもすごくうれしくて。あの瞬間に『ああ、コラボしているな!』って強く感じられる」と振り返る。
平井さんは「『きのこたけのこ大戦記』でオーケストラの皆さんがより感動的に演奏してくださって、最後に私が長いセリフを言うんですけど、気持ちいいこと気持ちいいこと!」と笑顔に。藤原さんも「『ハムカツ黙示録』ではハムカツのダミーを持って指揮するんですけど、その姿を見て、オーケストラのみんながクスクス笑ってる」と、温かい雰囲気を伝える。

■緊張で泣くメンバーも...でも「帰りたくない!」
小林さんは「前回、緊張しすぎて泣いていたメンバーもいた」と告白。メンバーの西田汐里さんのおばあちゃんからの激励の電話で楽屋のメンバーが一斉に涙したという。しかし「(公演後は)達成感がありすぎて、緊張していたことも忘れちゃう」と笑う。
里吉さんも「終わったあとも、みんな『帰りたくない!オーケストラの皆さんとお別れしたくない!』って言い出す」と、その魅力を強調。平井さんは「気の抜けない、ホッとする場所」という独特の表現で、この特別な舞台への思いを語った。
■ビルボードクラシックスと広がる可能性
今回初めて「billboard classics」の冠が付くことについて、小林さんは「その冠が付いたこともうれしいですし、東京文化会館での公演が決まったことが個人的にうれしくて。クラシックに携わったことがある人にとっては憧れの場所。そんな舞台に立たせてもらえるなんて信じられない」と喜びを爆発させる。

藤原さんは「billboard classicsはそれこそ玉置浩二さんをはじめいろんな方がやってきたわけで、僕の中ではうれしさがあります。ここからまた可能性を広げ、海外のオーケストラとも一緒にやれたらなと思っています」と、さらなる展望を語る。
■今年の新たな挑戦——メンバーの個性が光る演出
今回の新たな試みである平井さんのクラシックバレエ披露について「私のダンス歴的にはほとんどがクラシックバレエ。今はまだドキドキしているんですけど、過去2回の『BEYOOOOOPHONIC』ともまた違う切り口を見せられたら」と意気込む。
小林さんは毎回恒例のピアノ演奏について「今回はすごい名曲なので、皆さんにちゃんといい曲だって伝わるように演奏できたら」と語り、里吉さんも「BEYOOOOONDSそれぞれのメンバーが持っている武器とかアピールポイントをたくさん取り入れてきていただいた『BEYOOOOOPHONIC』に私もまた加われるのがうれしい」と期待を寄せる。
■声だしもOK!誰でも楽しめる空間に
「クラシックって聞くと敷居が高いと思うかもしれませんが、公演中は普段のライブどおり声を出せます」と小林さん。里吉さんも「服装も普段どおりでいいですし、なんなら推しTシャツを着て来る人もいます」とアピールする。
平井さんは「逆に普段のコンサートに行くことに躊躇している人こそ、着席したまま落ち着いて観られる機会なので、ぜひ試しに一度来てみてください!」と呼びかける。
藤原さんの「音楽にジャンルはない」というポリシーのもと、アイドルとクラシックの垣根を越えた、唯一無二の“伸”フォニックコンサート、ぜひあなたも体感してみては。
『BEYOOOOOPHONIC III』は、2025年11月13日(木)に東京文化会館大ホール(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団)、2025年11月22日(土)に東京芸術劇場コンサートホール(パシフィックフィルハーモニア東京)、2025年11月23日(祝)に兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール(兵庫芸術文化センター管弦楽団)で開催。チケットはS席1万2000円、A席9800円で、2025年9月27日から一般発売中。
取材=西廣智一、写真=石阪大輔
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