
赤楚衛二が主演、カン・ヘウォンがヒロインのドラマプレミア23「キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系/Lemino・TVerにて配信) が3月16日(月)の放送で最終回を迎える。
同ドラマは、日本と韓国、国籍の異なる2人が文化や価値観の違いに戸惑いながらも惹かれ合って恋をし、やがて自分自身を見つめ直し、前を向いていく姿を描くピュア・ラブストーリー。各話放送と同時に動画配信サービス「Netflix」にて世界独占見放題配信中だ。
主演を務める赤楚衛二は主人公・長谷大河を演じる。大河は、かつては大学駅伝のエースとして将来を期待されていたものの、成績不振で挫折し、その過去を引きずったまま今は特別な夢もなく小料理店で働き、さえない日々を送っているアルバイト店員。韓国人のヒロインと出会い、恋に落ちることで、自身の人生に向き合い、未来に向けての一歩を踏み出していく。一方、カン・ヘウォン演じるパク・リンは、アニメーションを学ぶため、韓国から日本に留学し、慣れない日本での生活の中で将来の夢と現実のはざまでもがきながら、懸命に日々を過ごしている大学院生という役どころだ。
このたび、WEBザテレビジョンでは本作のプロデューサー・中島叶氏にインタビューを実施。本作の制作経緯やキャストの起用理由、赤楚の座長ぷりなどについて話を聞いた。
■復讐作品が多い枠で挑む純愛ラブストーリー
――今作の制作に至った経緯を教えてください。
この企画はBABEL LABELの五箇公貴プロデューサーの持ち込み企画で、その原案を基に始まったプロジェクトです。当時からテレ東も私個人としても国際的なドラマをどんどんやっていきたいと思っていました。企画の話が出た2年前の時点では、まだそこまで例がありませんでしたが、韓国の方々と一緒にドラマを作るという挑戦を会社としてやってみたいという思いもあり、この企画の制作を決めました。
――初めに企画の内容を聞いた時、作品自体はどんな印象でしたか?
最初に企画書を見たときは、憧れの韓国ドラマのようなテイストのものが作れるかもしれないと思いました。
――赤楚さんが「日本の恋愛ドラマとは違う恋愛描写が見どころ」と取材時にお話をされていましたが、企画の段階から感じていましたか?
結果的に、監督の演出や台本が日本のドラマっぽくないと言われることは確かにあります。しかし企画の段階では、特別日本のドラマと違うものにしようという意気込みはなく、一つ一つ丁寧に作ることを重視しました。ドラマプレミア23枠では復讐やインパクトがある作品が多い中で、今回はあえて純愛ラブストーリーを作ろうという意図はありました。
――演出でこだわった部分はありますか?
文化や生まれ育った環境、言語などの違いを描く必要はありましたが、特別その違いを強調して見せたかったというわけではありません。心がけたのは、大河がどういう人なのか、リンにはどういうバックグラウンドがあるのかなど、キャラクターを深く掘り下げることでした。矛盾がないようにキャラクター設定を作り、大河やリンの言動が自然に見えるように、とにかくキャラクターを深く掘り下げる作業を大事にしました。
■「赤楚さんの恋愛モノの演技を見たいと思ったのが起用の理由」
――赤楚さんを起用した理由を教えてください。
赤楚さんは、テレ東だと(通称“チェリまほ”と呼ばれる)「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」に出演していただき、そこからさまざまな役を演じられて、約5年ぶりにテレ東に帰ってきてくださいました。その間もいろいろな役を演じられ、今、最も勢いのある俳優さんの一人です。そんな赤楚さんの純粋な恋愛の演技を、一視聴者として改めて今見てみたい!と思ったのが起用の理由です。
――赤楚さんの印象はいかがですか?
“チェリまほ”のときは、純粋でかわいい男の子という印象で、ピュアで自然な演技が上手だなと感じました。それ以降、恋愛や純粋な物語だけでなく、本当にいろんな役を演じられ、どんな物語でもその世界観に入り込めるなと思いました。お芝居がオーバーに見えず、無理のない、良い意味で力が抜けている感じが彼の魅力だと思います。
今作でもまさにそう感じました。本当にこの人はこの居酒屋でバイトをしているんだろうなと思えるリアルな説得力と、柔らかく等身大の演技が光る方だなという印象です。
■カン・ヘウォンの印象は「努力を見せないプロフェッショナル」
――そんな赤楚さんの相手役として出演するヘウォンさんを起用した理由も教えてください。
ヘウォンさんは「善意の競争」というドラマをABEMAで拝見して気になった女優さんです。日本での活動経験があるので、もしかしたら日本のドラマにも興味をもってくださるかな?と思い、連絡したところ、すぐに「ぜひやりたいです」と言ってくださいました。
――お会いしてみての印象はいかがでしたか?
最初、韓国でお会いしたのですが、透明感がすごくて、ヘウォンさんが透けて、後ろの壁が見えるんじゃないか…という印象でした。…冗談は置いておいて(笑)。第一印象はそんなイメージで、実際にお話してみると、まず、どんなお仕事にも情熱をもって取り組まれている熱意がある方なんだということが分かりました。
しかしそんな中、我々のリクエストにも割と淡々と「分かりました」と答えられていて、あまり質問もされなかったので、大丈夫かな?ちゃんと我々の真意が伝わっているかな?これが言語の壁か…?と少し心配をしましたが、それは杞憂に終わりました。実際には、とても努力家で、我々のお話も100%理解された上で台本をしっかりと読み込み、日本語のせりふもすぐに覚えてくださいました。努力を見せないプロフェッショナルで、現場でも一切「辛い」や「大変」と言わず、すごい方だと思いました。
■現場での赤楚衛二とカン・ヘウォン「自然に仲良くなっていた」
――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
夏に冬のドラマを撮影していたので、とにかく暑かったです! 赤楚さんやヘウォンさんをはじめキャストの皆さんはシーンによっては冬の服装をしていたので、本当に申し訳ない気持ちでした。そんな中でも、大きなハプニングもなく、現場の空気が悪くなることもなく、皆で一丸となって撮影できました。
――赤楚さんとヘウォンさんのコンビネーション感はいかがでしたか?
自然に仲良くなっていたように思えます。空き時間には、赤楚さんが韓国語をヘウォンさんに教えてもらい、それを赤楚さんが実際に言って、ヘウォンさんが「違うよ」と直す、という韓国語指導の現場をよく見かけました。お二人はよく話をしていました。
赤楚さんが気を使って自分から話しかけたり、座長として現場を引っ張ったりしていました。赤楚さんがコミュニケーションを積極的に取り、現場を盛り上げようとしてくれた姿はとても嬉しかったです。そうした行動がスタッフのモチベーションにもつながり、ヘウォンさんとのコミュニケーションの取り方も自然に教えてくれる、頼もしい座長でした。
でも、赤楚さんは“俺についてこい”タイプではなく、そういう押し付けをせずに自然に引っ張る人です。そういうところも素敵で格好良いですよね。
――赤楚さんとヘウォンさんの取材をさせていただいたときも、さりげないフォローや優しさをたくさん感じました。
そうなんですよ、さりげないんです。そのさりげなさで、ヘウォンさんがどれだけ助けられたのかなと思います。主演として赤楚さんも役に向き合い、せりふを覚えることなど大変だったと思いますが、ヘウォンさんをはじめ韓国の俳優さんに丁寧に向き合ってくださいました。それが韓国の俳優さんだからというわけではなく、他の俳優さんやスタッフさん、誰に対しても同じように丁寧でした。それが赤楚さんの魅力だと思います。
■お気に入りは「第2話の回転遊具のキスシーン」
――撮影中のエピソードや裏話はありますか?
いっぱいあるんですが…。今回、赤楚さんは料理人で、学生時代はスポーツで挫折を経験した役でした。クランクインの数カ月前から料理レッスンを受けていたのですが、本番には完璧に仕上げてきて素晴らしいなと思いました。家で練習したりレッスンに通ったりと、相当努力されたのだろうなというのが伝わりました。今作の大河の料理シーンは、ヒキもヨリも全て赤楚さんご本人です。本当に素晴らしいです。
また、駅伝の練習についても、赤楚さんご本人から「大学駅伝のエースとして将来を期待されていた役だから、その日だけただ現場に来て、『今、撮影のために走りました』では説得力がないし、その表現はしたくない」とおっしゃられて、大学の駅伝部の方々と一緒にランニングをしたり、駅伝のレッスンを受けたりされていました。単に演技が上手というだけではなく、役へのアプローチのために努力する姿勢がすごい方だと感じました。しかも、赤楚さんもその努力を決して人に言わないんです。ヘウォンさんの日本語せりふを覚える努力もそうですが、スターは努力を見せないんですね。僕だったらどれだけ頑張ったか言っちゃうんですが(笑)。そういうところも魅力だなと思いました。
――中島プロデューサーのお気に入りのシーンはありますか?
お気に入りのシーンはたくさんありますが、第2話の回転遊具のキスシーンが特にお気に入りです。現場で赤楚さんと監督が熱く話し合いをされて、ワンカットで撮影したカメラワークは見事で、とても美しかったです。作品をよくするためのそういう議論ができる現場で良かったなと思います。
――いよいよ最終回を迎えますが、最後に見どころとメッセージをお願いします。
最終回にもすごく好きなシーンがあります。空港で2人が第1話と同じせりふを言うシーンです。第1話ではほほえましかったのが、一言一句同じせりふなのに最終回ではなぜかこんなに切なく感じるんだろうと思いました。そのシーンはぜひ注目していただけたらうれしいです。

