
鈴木亮平が主演を務める日曜劇場「リブート」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系/TVerにて配信)の第8話が3月15日に放送された。考察する視聴者の間で根強くささやかれていたリブートした人物は他にもいるということ。第8話では、その予想に迫る展開で、「#日曜劇場リブート」がトレンド1位になる反響を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます)
■黒岩勉氏のオリジナル脚本で極限の家族愛と再生を描くサスペンス
本作の脚本を手掛けたのは、鈴木が主演した「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(2021年)ほか、「グランメゾン東京」(2019年)、「ラストマン-全盲の捜査官-」(2023年)など日曜劇場枠での数々の話題作をはじめ、多彩な作品を生み出してきた黒岩勉氏。3年の構想を経た完全オリジナルで、極限の家族愛と再生を描く“エクストリームファミリーサスペンス”となる。
今回、鈴木が演じるのは身に覚えのない証拠で妻殺しの犯人として仕立て上げられた善良なパティシエ・早瀬陸と、裏社会組織ともつながっている警視庁捜査一課の悪徳刑事・儀堂歩。早瀬は、儀堂に顔を変えて生きるリブート(再起動)を提案され、真犯人を自らの手で見つけ出し、自身の潔白を証明するために決意した。第1話で顔を変える前の早瀬を松山ケンイチが演じたことが明かされて話題となったが、鈴木が中身は早瀬という難しい役どころを見せていく。
キャストはほかに、裏社会につながる会社の公認会計士を務めながら早瀬が儀堂になりかわる手伝いもした謎めいた幸後一香役を戸田恵梨香、一香が公認会計士をするゴーシックスコーポレーションの代表でありつつ裏社会で暗躍する合六亘役を北村有起哉、行き場のない若者への支援活動を行うNPO法人「しぇるたー」の職員にして合六の裏組織で実行役を務める冬橋航役を永瀬廉(King & Prince)、警視庁警務部の監察官・真北正親役を伊藤英明が演じる。
■早瀬が一香の正体に気付く
冬橋とともに一香を追っていた早瀬が一香の正体に気付いた。そのきっかけは、自分が営む洋菓子店で出しているハヤセショートだった。かつて自分が儀堂ではなく早瀬であることを証明するために、合六の前で作ったのもハヤセショート。自慢のケーキが悲しい象徴になってしまっている。
今の一香は、妻の夏海(山口紗弥加)がリブートしている。自らを儀堂にするために執刀した形成外科医・桑原(野呂佳代)から、一香にリブートした人物の名前が「夏海」だと聞いて確信に至った。
失踪を経て、亡くなったと思っていた愛しい人が、ずっとそばにいた。その衝撃はいかばかりか。早瀬の涙が胸に迫った。
■一香のリブートの裏には合六の企み
その後、3年前に夏海がリブートした経緯が明かされた。
合六は、10億円を盗んだ代償という名目で、夏海に一香にリブートすることを命じた。断れば息子・拓海(矢崎滉)の命が危うい。夏海は受け入れるしかなかった。一方、一香は難病の妹・綾香(与田祐希)を救うため、1億5000万円で合六と「人生を売る」契約をしたのだった。だが夏海のリブートが完了したとき、一香は合六によって夏海の目の前で殺された。
夏海のリブート人生が始まる。早瀬と同じ、家族のためのリブート。一香として公認会計士の資格を取り、合六の裏組織で働き続ける。同時に、一香に託された綾香を「唯一の家族」としてサポートしていく。
リブート777日目に“夏海”の遺体が発見された。それは本当の一香で、合六が警察内のスパイを使って夏海だと仕立て上げた。さらに合六は企む。儀堂を10億円強奪の犯人にすると決めるが、利用できる儀堂という存在を失うのは惜しい。そこで夏海の夫・早瀬をリブートさせると。「だったらもう私が死にます」と言う夏海に、合六は再び息子を脅し材料にした。
早瀬に正体がバレてはいけない。その瞬間に家族と永遠に会えなくなるからだ。早瀬のリブートが始まり、“夫”のそばで合六の計画に加担していく。儀堂を100億の商品を盗んだ犯人に仕立てる件も合六が考えたもので、その金を懇意にしている国会議員の選挙の裏金に使うつもりだった。実は、3年前の10億円も、同じように選挙に使われたものだった。裏組織を率いる者が、そう簡単に10億、100億を奪われるのかという疑問もあったが、やはり悪の元凶であったのだ。
■戸田恵梨香の圧巻の演技に称賛続々
夏海のリブートが明かされたことで、これまでの謎めいた描写の答え合わせが展開。第1話で夏海の葬儀で一香が、まったく知らないはずの拓海に声をかけたのは、母としてメッセージを伝えるため。第4話にあった一香の自宅の天井裏に隠されていた写真は、拓海の写真。
そして第6話での100億の罪で合六が儀堂か早瀬を処分しようとする場面。一香が儀堂と話をしたいと合六に申し出てコンテナの中で「頼みがある」と儀堂に話したのは、「自分が犯人だって名乗り出る。私が殺されれば、とりあえずこの場は収まる。私が死んだあと、早瀬陸を助けてほしい」というもので、自分がリブートしていることを明かした。それを聞いて儀堂は、自分が身代わりになった。
夏海目線で見返していくと、たまらなく切ない。儀堂が亡くなったあと、早瀬に「あなたを守るって約束したから」という言葉は、噓偽りのない、愛する夫への気持ちだった。第1話から鈴木亮平の一人二役の凄みが際立っていたが、密かに戸田恵梨香もそうだったのだ。視聴者がリブートしていると考察したのは、物語の深読みもあるが、戸田が醸し出すほんの少しの違和感があったから。早瀬を見つめる瞳、言葉を発する前のほんの少しのためた時間。早瀬にバレてはいけない緊張感と、視聴者を翻ろうする演技は圧巻だった。
「#日曜劇場リブート」がトレンド1位となったほか、「夏海さん」「冬橋くん」「一香さん」もトレンド入り。「戸田恵梨香天才すぎる」「戸田恵梨香の演技凄すぎて号泣」「鈴木亮平も戸田恵梨香も演技力がすごい」「鈴木亮平と戸田恵梨香の一人二役演技合戦を楽しめる素晴らしいドラマだ」など反響が続々と寄せられた。
物語はいよいよ最終章に突入。少々気になるのは、桑原が「私は過去を捨てて新たな人生を踏み出す人たちを応援しています。この手で生まれた人たちはみんな私にとって大切な子どもと一緒です」と発言していたこと。早瀬の周りに他にもリブートした人物がいるのだろうか。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

