近視矯正にはさまざまな方法がありますが、その中でも夜寝ている間に専用のレンズを装着して視力を補正する「オルソケラトロジー」が注目されており、多くのメリットがあると言われています。そこで、オルソケラトロジーのメリット、注意点などについて、新留先生(くろかわアイクリニック)に解説してもらいました。

監修医師:
新留 翔一朗(くろかわアイクリニック)
鹿児島大学卒業。その後、東京医科大学病院眼科、新座志木中央総合病院などで経験を積み、2025年、神奈川県川崎市に「くろかわアイクリニック」を開院、院長となる。日本専門医機構認定 眼科専門医。
近視矯正の選択肢にはどんなものがある!?
編集部
近視を矯正するには、どのような方法がありますか?
新留先生
一般的には眼鏡やコンタクトレンズを使う方法が基本です。ほかにも、レーシックをはじめとする屈折矯正手術などがありますが、近年はオルソケラトロジーという夜間装用(夜につける)型のレンズ治療も注目されています。
編集部
オルソケラトロジーとはどのような治療法ですか?
新留先生
夜寝るときに専用のハードコンタクトレンズをつけて、角膜の形を少しずつ変化させて視力を補正する方法です。朝レンズを外すと、角膜は矯正された形状を保っているため、日中は眼鏡やコンタクトレンズを使わずに裸眼で過ごせます。
編集部
どのような人に向いているのでしょうか?
新留先生
日中に眼鏡やコンタクトレンズを使いたくない人や、スポーツをしている人には適しています。また、成長期の子どもでは近視進行を抑える効果が期待されており、早期に始めるほど有効とされる報告もあります。
編集部
子どもでもできるのですか?
新留先生
そうですね。むしろ、角膜が軟らかい小児期ほど効果が出やすいです。近年の研究で、オルソケラトロジーには子どもの近視進行を50%前後抑える効果があると報告されています。また、基本的に自宅内で完結する治療法なので、保護者がサポートしてあげられるというのも安心です。例えば学校にコンタクトレンズをつけていき、目を擦って外れてしまったとか、落として見つからないなどの心配もありません。
オルソケラトロジーのメリットや注意点、効果は何日で現れる?
編集部
オルソケラトロジーのメリットを教えてください。
新留先生
大きな利点は、日中に眼鏡やコンタクトレンズを装着しなくても生活できる点です。相手と強く接触するコンタクトスポーツや格闘技、またマリンスポーツや水泳などをする人にも向いています。手術を伴わないため心理的なハードルが低く、治療を中止すれば2週間ほどで角膜の形は元に戻ります。
編集部
治療の効果はどのように現れるのでしょうか?
新留先生
つけた翌朝から効果を感じる人もいますが、視力が安定するには数日〜2週間程度かかることが一般的です。個人差があるため、検査や経過観察をおこないながら調整していきます。
編集部
反対に、デメリットや注意点はありますか?
新留先生
夜間に専用レンズを装着する習慣が必要です。また、強度の近視や遠視には対応が難しく、乱視も十分に矯正できない場合があります。さらに、レンズの取り扱いが不適切だと角膜感染症のリスクがあるため、正しいつけ方やケアの方法を守ることがとても大切です。
編集部
ほかに、オルソケラトロジーについて知っておいたほうがよいことはありますか?
新留先生
オルソケラトロジーは自費診療となり、健康保険は適用されません。費用はレンズの種類や治療方針によって異なりますので、事前にしっかり説明を受け、納得してから治療に進みましょう。

