「大天使ミカエル」の役割と描かれ方を解説!【キリスト教美術史】

大天使ミカエルの目印は「天秤」や「剣」

San Miguel no retablo de Silte , Public domain, via Wikimedia Commons

大天使ミカエルの目印は「天秤」と「剣」です。大天使ミカエルは伝統的に天上世界と人間の内的システムのバランスを握っていると言われる天使と言われています。そのため、調和を保つための「天秤」を手にしているのです。

しかし実際は「天秤」に関する明確な記述はキリスト教の伝統にはなく、イスラム教における「片手で死者の魂を量り、反対の手で選民の名が記された『命の書』を持っている姿」がキリスト教美術史のなかでも応用されたと考えられます。

もう1つの目印は「剣」です。悪魔を倒すための武器として剣を持っています。しかし、大天使ミカエルが剣を使うのは悪魔(ドラゴンや蛇の場合もある)を殺すためではなく、戦いに勝利し制服するためにすぎません。その点に注目すると、描かれる悪魔の表情も興味深く見えます。

キリスト教美術で翼がある鎧の天使を見つけたら、足元にドラゴンや蛇がいないかチェックしてみてください。以上、大天使ミカエルの役割と目印についてでした!

キリスト教美術史:「大天使ガブリエル」の役割と描かれ方を解説!

大天使ガブリエルは、キリスト教美術にもっとも多く描かれる天使の1人です。神の声を伝達するため、地上に降りてきて人間と交流することがあります。

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