身勝手ママも完全沈黙
その場が静まり返った瞬間、アルバム係のママが冷静に、しかしA君のことを思って言いました。
「撮影料も込みの値段だから、購入しないとなると、A君だけが撮影から外れるような形になってしまうかもしれない。一生残るアルバムに自分だけがいない……A君、本当にそれでいいのね?」
「は?」
「お母さんがお金を払わなかったから、僕だけ写真に写っていないんだよって、A君にちゃんとお話しできる? その覚悟があるなら、私たちは止めないけれど」
その言葉に、さすがのAさんも自分勝手な理屈が通用しないことと、子供への影響を考え直したのか、「わかったわよ、払えばいいんでしょ」と、渋々支払いに応じました。
お金の問題以上に、周囲との約束やわが子の思い出を軽視するような姿勢に、周囲は複雑な心境を隠せませんでした。
無事にアルバムは完成しましたが、なんともすっきりしない最後の学年となりました。
卒業後、Aさんとは自然と疎遠になったのでした。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。

