クローゼットから久しぶりに衣類を出すと、小さな穴が開いていたことはありませんか。
これは『衣類の虫食い』による被害で、気がついた時にはすでに複数の衣類に被害が広がっていることもあります。衣替えの季節は、特に注意が必要です。
本記事では、衣類の虫食いが発生する理由と効果的な対策を中心に紹介します。
衣類の虫食いはなぜ発生する?
衣類を食べるのは、害虫の成虫ではなく『幼虫』です。衣類の生地を製造、販売する帝人フロンティア株式会社が開発した繊維、『ソロテックス®』のウェブサイトでは、以下のように説明していました。
ソロテックス® ーより引用日本に生息する主な衣類の害虫は「イガ」「コイガ」「ヒメカツオブシムシ」「ヒメマルカツオブシムシ」の4種類。いずれの害虫も屋外ではハトやスズメ、ツバメの巣などに生息していることが知られています。成虫は衣類を食べませんが、幼虫の時期には衣類を食べて虫食い穴を発生させるのが原因です。
これらの幼虫は、羊毛、カシミヤ、シルクなどの動物性繊維を特に好みます。また、衣類に汗や皮脂、食べこぼしが付着していると、卵を産みつけられやすくなるそうです。
長期間クリーニングせずに保管している衣類や、湿気のこもる収納環境は格好の餌場となるため、発生条件が重なると虫食いが一気に進行してしまうでしょう。
衣類の虫食いを防ぐための対策
※写真はイメージ
衣類の虫食いを防ぐには、清潔にしてから収納することが大切です。衣替えの前には必ず洗濯やクリーニングを行い、皮脂や汚れを落としてから収納しましょう。
防虫剤の活用も欠かせません。『パラジクロロベンゼン』や『ピレスロイド系』などの成分を使った市販の防虫剤は、引き出しタイプや吊り下げタイプなどさまざまな形状があるため、収納方法に合わせて選ぶのがポイントです。
クローゼットや衣装ケースをできるだけ密閉し、防虫成分が十分に行き渡る環境を作れば、効果を最大限に発揮させられるでしょう。
また、湿度管理も重要です。湿気は害虫の活動や繁殖をうながすため、定期的に扉を開けて換気したり除湿剤を置いたりする工夫が必要です。
収納スペースに余裕を持たせることも、通気性を高めて害虫の繁殖を防ぐことにつながります。

