血圧が高いと頭痛がするのはなぜ?メディカルドック監修医が高血圧による頭痛の特徴、放置してはいけない危険なサインについて解説します。

監修医師:
大沼 善正(医師)
昭和大学医学部卒業。昭和大学病院、関東労災病院を経て、現在はイムス富士見総合病院勤務。総合内科専門医、循環器専門医、不整脈専門医、医学博士。
なぜ血圧が高いと頭痛が起こるの?
ゆっくり血圧が上昇する場合や、慢性的な高血圧では頭痛を起こすことはほとんどありません。
これは、「血圧が変動しても脳への血流を一定の範囲内に保つ機能」(脳血流自動調節機能)が正常に働いているためです。
しかし、急激な血圧の上昇では血管に過度な負担がかかり、 血液中の水分が血管の外にしみ出します。その結果、血管の周囲や脳のまわりの組織がむくみます。
脳は頭蓋骨に包まれているため圧力の逃げ場がなく、脳を包む膜や神経が刺激されることで、頭痛が起きます。
血圧上昇が脳の血管に及ぼす影響とは?
血圧が上昇すると、脳血流自動調節機能が働き、脳への血流量を一定の範囲内に保つように調整されます。
徐々に血圧が上昇した場合には、この調節機能のために、とくに症状を感じないことがほとんどです。多くの高血圧で自覚症状がないのも、そのためです。
ただし、急激に血圧が上昇した場合には、この調節機能が追いつかなくなります。
脳の血管には、血液中の水分や物質が勝手に脳組織へ漏れ出さないよう、細胞同士が密着した「血液脳関門(BBB)」というバリアがあります。急な血圧上昇により、このバリアにわずかな隙間ができると、その間から血液中の水分が血管の外に漏れて、脳のまわりの組織がむくんでしまいます。
さらに血管の外にしみ出た成分が神経を刺激し、炎症が起こります。
これにより神経が過敏な状態となり、血管の拍動などの刺激で頭痛を起こすようになります。
まとめますと、以下のようになります。
脳の周りの組織がむくむ
むくみの刺激で炎症が起こり、周囲の神経が過敏になる
過敏になった神経が、血管の拍動などの刺激を痛みとして感じ、頭痛が起こる
血圧がいくつ以上になると頭痛が起きやすい?
収縮期血圧が 180mmHg以上、または拡張期血圧が 120mmHg以上になると、頭痛が起きやすいとされています。
ただし、数値そのものよりも、血圧がどれだけ急に上昇したかが重要です。
たとえば、もともと収縮期血圧が 160mmHg の人が 180mmHg になっても、頭痛は起きにくいことがあります。
一方で、普段 120mmHg 前後の人が 180mmHg まで上昇すると、頭痛が起きやすいと考えられます。
高血圧による頭痛の特徴は?
血圧が高いだけでは、頭痛は起こらないとされています。
急激に上昇した場合や、血圧が非常に高い状態(収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧120mmHg以上)で高血圧性頭痛が起こるといわれています。
高血圧による頭痛で痛みが現れやすい場所は?
側頭部や後頭部に現れやすいといわれていますが、とくに決まった場所はなく、頭全体に痛みを感じることもあります。
高血圧による頭痛はどんな痛みが起きる?
重く締めつけられるという鈍い痛みを感じます。また、ズキズキと拍動するような痛みを感じることもあります。

