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「年間300件の飲み会」に出席する異色弁護士が提唱、AI時代に生き残るための最強の武器とは?

「年間300件の飲み会」に出席する異色弁護士が提唱、AI時代に生き残るための最強の武器とは?

年功序列、終身雇用に代表される「日本型雇用システム」の改革が叫ばれる中、使用者側の労働弁護士として発信を続ける倉重公太朗氏(BUSINESS LAWYERS AWARD 2025 情報発信部門賞、主催:弁護士ドットコム)は、人事労務関係者とのコミュニティを築き、現場の声を政策提言につなげている。その原動力と今後の展望を聞いた。

●飲み会は年300件、対話を重視

参加・主宰する飲み会は年間300件。企業法務の弁護士というと、ともすると法務部の外からは距離のある存在に見えがちだが、倉重公太朗氏は「気軽に会いに行ける弁護士」として、いつも人事労務関係者のコミュニティの中心で豪快な笑顔を見せている。

倉重氏が人事労務担当者に注目しているのは、使用者側の労働弁護士として、労使紛争が起きる前の課題解決を重要視しているからだ。もともとは、労働問題を専門に扱う事務所で、紛争解決に取り組んできたが、人脈を広げる中で、その手前にある紛争予防の重要性を理解するようになった。「紛争が複雑化していて、人事評価や賃金制度も理解しないと解決は難しくなっています」と語る。 今では、NPO法人日本人材マネジメント協会の副理事長として、人事のコミュニティ作りに注力し、人事制度、採用、キャリア、人材開発、企業変革など、法律以外のテーマについても、学びの場を提供し続けている。飲み会もセットになっているのが前提で、自身の事務所で開催する小規模なものから、大規模なイベントまで、運営力の高さを発揮している。

倉重氏は、AIが普及して人間の業務を代替するようになる時代には、代替可能な外形的スペックを売りにするよりも、人と人の情緒的なつながりを重視する「スナックコミュニティ戦略」が有効だと提唱しており、自らこれを実践している形にもなっている。

「今は情報の分断が起きている時代です。これを乗り越えるためには、リアルなコミュニティでの対話が重要です。SNSで喧嘩をするのではなく、直接会って、関係性を築くことで建設的な対話になります」と狙いを語る。

●単なるノウハウよりも共感が大事

コミュニティ作りが「内向きの対話」だとすると、メディア出演や書籍の執筆、YouTubeチャンネル運営などが「外向きの発信」となる。わかりやすさを大切にして、YouTubeの動画を見た企業からの問い合わせも増えている。

特に注力しているのが、労働法だけでなく、年功序列や終身雇用などに代表される日本の雇用システム全体の改革だ。10年ほど前に、東洋経済オンラインの取材や連載企画に対応したことをきっかけに、発信を強めていった。

「メディアには、悪質企業に苦しめられている人たちの極端な事例が出てきがちなのですが、世の中のほとんどの人は普通の環境で働く人たちです。彼らの悩みはモチベーションだったり、キャリアだったり、メディアに出てくる極端なものと異なります」と背景を語る。

弁護士の中でも、労働者側の弁護士によるメディア発信は盛んだが、使用者側ではそのような動きが乏しい。自身が先頭に立って、雇用システムの課題を解きほぐし、明示していく。「だからといって、企業による首切りのノウハウを発信したいわけではありません。社会を変えたいという思いに共感してもらうことが大事です」と強調する。

発信する内容については、この10年間で大きな変化があったと感じている。「電通事件(2015年に起きた過労自殺)を契機に、働き方改革に代表される労働者保護強化の流れが生まれましたが、最近は見直しの方向へと変わってきています。日本企業や労働者自身が今のままでは成長できなくなるんじゃないかという危機感が背景にあります」と語る。今後は、40年ぶりとも言われる労働基準法の改正論議もあり、大きな変化のタイミングだと捉えている。

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