●「雇用の終わらせ方」の提言へ
特に今後、発信していきたいテーマが、解雇の金銭解決制度だ。日本型雇用システムの大きな課題である「雇用の終わらせ方」を変えるきっかけとなりうる。長年、厚生労働省で、解雇が無効となった場合に、金銭で解決するための制度設計の議論が重ねられているが、労使の意見の対立があり、なかなか進む気配がない。
「このテーマについては、経営者だけでなく、学者でも必要だと思っている人はいるのですが、解雇が絡んでいるだけに、それを言うと、『けしからん』と批判されてしまうことを恐れて、なかなか表立って主張したがりません。厚労省の動きも鈍い。だから自分が言うしかないと思ってます」
まずは、退職合意形成の調査研究を通じて、学会などで研究者などの専門家を巻き込むところから始め、人事責任者、現場の人事担当者、そして、一般の人たちへと段階的に問題提起することを考えている。
「体力と経験のバランスが取れた、40代後半の5年間を使って、しっかり取り組みたいですね。日本型雇用の硬直的な仕組みから脱却して、もっと働く人たちが主体的にキャリアを築けるような社会にしていきたい」。まだまだ勢いは止まりそうにない。
【プロフィール】
くらしげ・こうたろう 慶應義塾大学経済学部卒。経営者側の労働法務を専門とし、第一東京弁護士会労働法制委員会副委員長、日本人材マネジメント協会副理事長、日本労務学会など、法曹・アカデミック・人事労務界で活動。発信は『企業労働法実務入門』など30を超える著作、Yahoo!ニュース個人、YouTubeなど。

