脳トレ四択クイズ | Merkystyle
「嫌な記憶を消す方法」はあるの?思い出しにくくする工夫や対処法も医師が解説!

「嫌な記憶を消す方法」はあるの?思い出しにくくする工夫や対処法も医師が解説!

嫌な記憶を消す方法はあるの?メディカルドック監修医が嫌な記憶が脳に定着する原因や思い出しにくくする方法・思い出した際の対処法などを解説します。

関口 雅則

監修医師:
関口 雅則(医師)

浜松医科大学医学部を卒業後、初期臨床研修を終了。その後、大学病院や市中病院で消化器内科医としてのキャリアを積み、現在に至る。内視鏡治療、炎症性腸疾患診療、消化管がんの化学療法を専門としている。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、総合内科専門医。

「記憶」とは?

「記憶」とは?

記憶は記銘、保持、想起の三工程で構成される脳内の情報痕跡です。神経科学では、海馬が新しい出来事を一時的に整理し、大脳皮質へ長期記憶として移送する仕組みが解明されつつあります。重要な情報を整理し、効率よく保存する脳の連携は実に精巧です。

嫌な記憶が脳に定着する原因

嫌な記憶が脳に定着する原因

嫌な記憶が鮮明に定着するのは、感情とストレス反応が深く関与するためです。強い恐怖や悔しさを伴う体験では、ストレスホルモン等の分泌により記憶の回路が強く刻印されます。さらに、出来事を繰り返し想起することで記憶のネットワークが再強化され、より消えにくいものへと定着してしまいます。

強いストレス反応と記憶の「固定化」

ショック体験時にはアドレナリンやコルチゾールが大量に分泌され、扁桃体と海馬の働きを変化させます。これにより危険に関する情報が「忘れにくく」なり、特定の音や場面で恐怖が蘇るなど、記憶が強く長期化しやすくなります。これはPTSDの研究でも示されており 、脳が生存のために恐怖を刻み込む防衛反応といえます。

思い出すたびに強くなる「再固定化」

一度保存された記憶は、思い出すたびに「再固定化」というプロセスを経て再び脳に定着します。恐怖記憶の研究では、想起後に適切な処置を行わないと記憶が強化される一方、このタイミングを突けば感情を弱めることも可能です。この仕組みを応用し、記憶の意味づけを変える治療法の確立が期待されています。

フラッシュバックと関連づけの広がり

PTSDの代表的症状であるフラッシュバックは、トラウマ体験が音や匂い等の中立的刺激と強く結びつくことで生じます。この過剰な関連付けは脳の防御反応の一種ですが、日常生活の些細な場面で嫌な記憶が溢れ出し、生活に大きな支障をきたします。持続的な苦痛や生活への悪影響がある場合は、専門的な治療の対象となります。

「考えすぎ」「反芻(はんすう)」による記憶の強化

過去の失敗や対人トラブルを繰り返し思い出す「反芻思考」は、落ち込みや不安を長期化させ、記憶に伴う嫌悪感を強めます。「自分はダメだ」といった自己批判を繰り返すことで、出来事そのもの以上に「自分への否定的なラベル」が強く刻まれてしまいます。この心理的プロセスが記憶のネットワークを負の方向へ強化します。

睡眠と記憶の選別・消去のバランスの乱れ

レム睡眠中、脳は記憶の強化と消去を行い、情報を整理しています。特にMCH(メラニン凝集ホルモン)を産生する神経細胞群が、不要な記憶の消去を担うことが近年の研究で分かってきました。このMCH神経は、睡眠中に「忘れる」プロセスを促すことで脳のオーバーフローを防いでいます。
不眠などでこの機能が滞ると、感情の整理が進まず嫌な記憶が鮮明に残り続ける恐れがあるため、良質な睡眠の確保が不可欠です。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。