子育ては、理想と現実の狭間での葛藤の連続ですよね。日々の家事や仕事に追われながら、子どもと向き合う時間を作るのは並大抵のことではありません。今回は筆者の友人が、子どもと接する中で感じたことを聞かせてくれました。
「理想の子育て」に縛られて
娘が幼かった頃、私は常に何かに追われるように生きていました。
家を綺麗に保ち、栄養満点の食事を作ることこそが「正しい母親」の姿だと、強迫観念のように信じ込んでいたからです。
今から思えば、そこまで神経質にならなくてもよかったのに、当時の私は手の抜き方も分からず、いっぱいいっぱいでした。
クレヨンを力いっぱい握り、不格好な絵を描いて「ママ見てー!」と駆け寄る娘に、家事の手を止めることさえせず「ちょっと待って、今忙しいから」と冷たくあしらったことも何度もあります。
やっと気付いたこと
やがて娘は中学生になり、反抗期を迎えました。
挨拶さえ交わさず、自室に閉じこもる日々。
かつてあんなに騒がしかったリビングに流れる重苦しい静寂の中で、私はようやく自分の大失敗に気が付きました。
あの頃の娘が欲しかったのは、ピカピカの床でも手の込んだ食事でもなく、「可愛い絵だね!」「がんばって描いたんだね」という共感だったのだと。
そのたった一言こそが、母娘の絆を繋ぎ止める何よりの栄養だったのだと、今になってようやく分かったのです。

