山形県西川町の菅野大志町長のパワーハラスメント疑惑をめぐり、町が設置した第三者委員会は3月16日、調査報告書の内容を公表し、町長の8件の行為が「パワハラ」に該当すると認定した。
町長が職員(当時)の男性の上着をつかみ、町長室に連れて行ったとされる疑惑を受けて、第三者委員会が設置されていた。
職員へのアンケートなどをもとにまとめられた報告書では、町長が職員とのチャットで「あほか」などの言葉を使ったことのほか、「温泉施設で打ち合わせをすることを求め、温泉施設内で打合せを行った」ことなどがパワハラと認定された。
職員の中には、仕方なく町長と一緒にサウナに行っていた人もいたという。
また、ハラスメント疑惑調査特別委員会も立ち上げられ、その報告書によれば、「西川町内に所在するサウナに入浴し、その際に個別面談を行うもの」とされる“サウナミーティング”も実施されていたという。
近年では、部下や後輩を連れてサウナで打ち合わせをする経営者や上司も増えている。「サウナミーティング」という言葉も広まりつつある。どのような場合に、サウナでの打ち合わせがパワハラと判断される可能性があるのだろうか。今井俊裕弁護士に聞いた。
●部下が受け入れていなければ「強要はパワハラ」
──どのような場合に、サウナでの打ち合わせがパワハラと認定されるでしょうか。
昨今では、「サウナミーティング」と称して、貸し切りの個室サウナを提供する施設もあるようです。
サウナという環境が、新しい発想を生んだり、議論を活性化させたりする可能性は、医学的にも興味深いテーマかもしれません。
しかし、そもそも部下がそのような場でのミーティングを望んでいないにもかかわらず、それを強要するのであれば、パワハラに該当するでしょう。
●庁舎内で可能な業務をサウナでおこなう必要性は乏しい
西川町には、町長などの特別職によるハラスメントも想定して制定された「西川町職員のハラスメント防止等に関する条例」があります。
条例では、パワーハラスメントについて「職場において行われる職務上の地位、人間関係等の優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、職員の職場環境が害される行為をいう」と定義されています。
本来ならば、庁舎内の通常の勤務時間中におこなえる打ち合わせを、あえて温泉施設のサウナルームで実施することは、業務上の必要性があるとは言い難いでしょう。嫌々ながら付き合わされる職員にとっては、就業環境を害する行為になります。
また、そのようなミーティングについて、住民が納得できるような生産性や合理性のある理由も見出しがたいといえます。パワーハラスメントに該当すると思います。

