●「◯◯の味を継承」という表示には要注意
──いずれも違法性は高くないと考えてよいのでしょうか。
「◯◯の味を継承」「◯◯直伝」などと表示する場合には注意が必要です。
こうした表示を見た消費者は、元の有名店から一定の評価を受けて、いわゆる「のれん分け」などの形で承諾を得たうえで表示しているのではないかと受け取る可能性があります。
そのため、表示内容や具体的な事情によっては、不正競争防止法の規制対象とまではいえなくても、一般的な不法行為(民法709条)に該当する可能性が検討される余地があります。ケースによっては損害賠償責任が生じることもあり得るでしょう。
●全国的に有名な店名を使う場合は違法が高くなる
──営業主体を誤認させる表示であることが前提なのでしょうか。
一定の地域内で知られているどころではなく、全国規模で有名な営業表示を冒用した場合には、たとえ消費者に誤認が生じなかったとしても、不正競争行為に該当する可能性があります。
「冒用」とは、他人の名称や表示を無断で利用することを意味します。裁判例では、誰もが知っている日本を代表する大企業の名称や、超有名ファッションブランドなどを無断で使用したケースが問題になっています。
このような場合、仮に消費者が営業主体を誤認しなかったとしても、不正競争行為違反と評価される可能性があります。
さらに、商標登録された商標を使用した場合には、別途、商標権侵害の問題も生じます。
【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における、開発審査会の委員、感染症診査協議会の委員を歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp/index.html

