「眠くならない花粉症対策」として注目される漢方薬。その魅力は、副作用が少なく、自然由来の成分で症状にアプローチできる点にあります。今回は「新井五行堂醫院」の新井先生に西洋医学の免疫療法に似たアプローチも含め、漢方薬での花粉症対策についてお聞きしました。
※この記事はメディカルドックにて【花粉症対策に漢方薬という発想! 西洋薬と比 べて、こんな利点があった】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

監修医師:
新井 紀元(新井五行堂醫院)
東京大学医学部卒業。獨協医科大学脳神経外科助教授、栃木県立がんセンター脳神経外科医長を歴任後、北京中医薬大学東京校、北京中医薬大学附属東直門病院にて漢方医学について学ぶ。2006年には、東京都中野区にて「新井五行堂醫院」開院。西洋医学と漢方医学双方の観点から、幅広い診療を提供している。医学博士。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。
編集部
花粉症には「眠くならない漢方薬がいい」と聞いたことがありますが本当でしょうか?
新井先生
「副作用が少ない」という点は、漢方薬の大きなメリットですね。ただし、「全くない」わけではありません。たとえば、「麻黄(まおう)」という生薬が入った花粉症の漢方薬では、不眠や血圧の上昇といった副作用も散見されています。
編集部
となると、漢方薬のメリットとは?
新井先生
まず、生薬が自然由来であることです。人類にとってなじみのあるものを使用しています。他方、西洋のお薬は化学成分、つまり、人類の歴史の中で体に取りこんでいなかったものも含まれます。さらにメリットを挙げるとしたら、西洋のお薬より選択肢が多いことでしょうか。その人の症状に合った、ピンポイントの改善効果が得られます。
編集部
花粉症のケースでは、どのような漢方薬が処方されるのでしょう?
新井先生
多くの場合、初手として処方されるのが「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」です。しかし、このお薬が効かなくても、他の漢方薬に変えて二の手、三の手が打てます。多用はしませんが、アレルギーの原因物質を“黒焼きにしてのませる”などという方法もありますよ。
編集部
えっ? どういうことですか?
新井先生
考え方としては、西洋医学の「舌下免疫療法」と一緒です。アレルギーの原因物質を、あえて取り入れて慣れさせていくわけですね。さすがに黒焼きは例外的な処方ですが、進め方が多彩であるだけに、「ムダに終わる」ということはほとんどありません。大抵は、患者さんごとに適したお薬が見つけられます。
編集部
花粉症はどちらかというと「現代病」ですよね? 2000年の積み重ねがあったのでしょうか?
新井先生
花粉症はなくても鼻水やくしゃみは2000年前からありましたよね。漢方薬は基本的に、花粉やウイルスといった原因を問いません。結果としての症状を取り除く学問体系です。そして結果としての涙や鼻水、くしゃみなどは、ヒトが昔から変わらず抱えていた症状なので、漢方での対応が可能なのです。
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