
反町隆史、大森南朋、津田健次郎がトリプル主演を務めるドラマ「ラムネモンキー」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第10話が3月18日に放送された。失踪した恩師の謎は思いがけなく大きな展開へ。自分たちの今の生活にも影響が考えられる中、雄太(反町)たちは決意する。(以下、ネタバレを含みます)
■中学校の同級生3人が37年ぶりに再会し、青春を取り戻す
同ドラマは、「コンフィデンスマンJP」「リーガルハイ」などを手掛けた脚本家・古沢良太氏の最新作。
主人公となるのは、大手商社勤務の吉井雄太(反町)、映画監督の藤巻肇(大森)、理容師の菊原紀介(津田)という、見た目も性格もバラバラな3人組。中学時代の1988年、雄太は通称ユン、肇は通称チェン、紀介は通称キンポーと呼ばれ、映画研究部でカンフー映画の制作をしながら、熱い青春を過ごした同級生だ。
51歳となり、「こんなはずじゃなかった」と三者三様に人生に行き詰りを感じていた中、37年ぶりに再会。3人が通うカフェの店員・西野白馬(福本莉子)の協力も得て、かつての映画研究部顧問教師・マチルダ(木竜麻生)の謎の失踪事件を追いながら、もう一度“青春の輝き”を取り戻す様を描く。
■まちの再開発の裏にあったマチルダの正義
恩師失踪という謎の裏にあったのは、みんなが暮らしていた丹辺市の再開発。黒幕は、今や大物政治家となった加賀見(高田純次)だ。雄太、肇、紀介、そして白馬は、加賀見の屋敷に押しかける。そこには雄太の兄・健人(松村雄基)もいた。
プリンを食べながら出迎えた加賀見に、雄太たちは黒江の婆さん(前田美波里)とマチルダの暗殺を指示したのではないかとストレートに問う。すると加賀見は、まったく動揺することなく自分を正当化する。
そして、「そりゃ僕だって常に聖人君子だったわけじゃない。時には、汚れたこともした。だが、己の欲のためにやったことは一度もない。この国を豊かにするため。丹辺の再開発は必要だった。だが、1人の老人が反対し、計画をとん挫させようとした。
みな、彼女の排除を望んでいた。その場合、誰かが決断しなくちゃいけない。汚れる覚悟をしなくちゃならないんだ。それもまた上に立つ者の役目だと僕は思ってる。それを自分は汚れたくない人間が批判する。あいつは汚れてるって。甘ったれた連中だよ」と吐き捨てるのだった。
そこで口を開いた健人は、「マチルダを何度も説得したんだ。俺たちの親も彼女を説得した。テープを渡すようにと。12月31日が期限だった。だが彼女が持ってきたのは、別のバカげたテープだった。その正義は、周りの幸せを壊してまで貫かなきゃならないものか?」と、雄太たちに投げかける。
■正義を貫けば今の生活に影響が及ぶ…雄太たちはためらう
雄太たちが制作していた映画のテープが、加賀見らが集まった黒江の婆さん宅での隠し撮りに使われた。知らないうちに雄太たちの青春は、大人たちの世界とつながっていた。
加賀見は雄太たちと白馬の仕事やプライベート、家庭事情を知っていて、暗に脅しをかける。各自の生活に加賀見の影響が及んでいることを自覚し、これ以上戦えば周囲に迷惑がかかり、生活を失いかねない。白馬が働くカフェに再び集まった雄太たちは、加賀見からもらったプリンを前に逡巡する。
ふと白馬は、健人が口にした「バカげたテープ」が何だったのかとつぶやく。それを聞いて3人は、丹辺に当時人気だったバラエティー番組の企画“タケちゃんマン”が撮影に来たことを思い出す。そして、記憶にあった上映会は、彼らの映画ではなく、お蔵入りとなったタケちゃんマンオープニングのお披露目だったことも。
そんな中、白馬のSNSにマチルダの元夫という人物からメッセージが届く。
■ラムネで乾杯!「きれいに生きる」覚悟を決める
マチルダの元夫・里村(佐戸井けん太)は、事故で娘を失ったことをきっかけに離婚に至ったことを話す。マチルダがオリジナルキャラクターとしていた「とんちゃん」は娘に由来していた。
かつてマチルダが言った「空想が現実じゃないって誰が決めたのよ? この宇宙にはいろんな時空が同時に存在してる。夢や妄想は、時空の壁が破れて、もう一つの世界と溶け合った瞬間。この世界が空想で、空想が本当の世界…かもしれない」ということ。そこには、娘への思いも詰まっていたようだ。
離婚から1年ほどして、里村のもとにはマチルダから美術教師をしていることを報告するハガキが届いた。そして「いつも空の上からあの子が見ている。そう感じます。だから、ちゃんと生きます。いつか彼女のもとに行ったときに恥ずかしくないように、きれいに生きたい」という文がつづられていた。
雄太たちはマチルダと最後に会った場所を訪れる。1988年の大みそかの夜にマチルダがいなくなり、映研も自然消滅。中学生3人は区切りをつけるため、再びこの場所に集まったとき、まちを見ながら“宇宙船”の空想を語り合った。第1話冒頭で描かれたのは、そのときの空想に由来するものだった。宇宙船に乗ってマチルダがいなくなったのだと、中学生の彼らは恩師が失踪した悲しみの記憶を打ち消そうとしたのだ。
現代。かつて青春をともにした3人に白馬が加わり、ラムネを飲む。雄太は、かつての罪を追及できなくても、今の仕事で関わりのあった加賀見に賄賂の不正を明らかにすると決意し、肇、紀介、白馬は自分たちの生活に影響が及ぶことを覚悟のうえで了承する。
「きれいに生きるか」という言葉を発した雄太と、それを聞いた3人の顔は、すがすがしく、美しかった。青春時代というセンチメンタルさ、今という生きにくい時代の切なさ。それらに彩られた人生で、マチルダの正義は確かにつながり、新たな一歩を踏み出していく4人がかっこいい。
SNSには「泣けた」「『きれいに生きたい』マチルダの残した言葉、ずっと涙が止まらなかった」「オジたちよ頑張れ!」などの感想が上がった。
ところが、クライマックスに向け“空想”は終わっていなかった。突風が吹いたと思うと、雄太たちの前に宇宙船が現れ、マチルダが降りてきたのだ。空想と現実…次回、3月25日(水)放送の最終回でどんな結末を迎えるのか、楽しみだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

