4年待った!江戸東京博物館がついにリニューアルオープン
「大江戸礼賛」キービジュアル
2022年から大規模な改修工事のため休館していた江戸東京博物館。その再始動を飾るのが、特別展「大江戸礼賛」です。
今回の展示の最大の特徴は、「全点、江戸博コレクション」であること。
普段はなかなか見ることのできない秘蔵の逸品や、収蔵後初披露となる貴重な資料を含む約160件が、一堂に会します。
まさに、江戸博のプライドをかけた「ベスト・オブ・江戸」といえる内容です。
東都名所 高輪二十六夜待遊興之図 歌川広重/画 天保3-13年(1832-42)頃
「武士の都」から「文化の都」へ。展示で辿る江戸の変遷
本展では、徳川家康が切り拓いた広大な「武蔵野」が、いかにして世界有数の百万都市へと発展したのか、そのダイナミズムを4つの章で紐解きます。
将軍のお膝元 -武士の都の形成-(第1章)
平和な「泰平の世」において、武具は実用の道具から、家の格を示す「美」の象徴へと変化しました。
注目は、江戸甲冑の最高峰・明珍(みょうちん)派による師弟の競演。
また、大名家の婚礼を彩った華麗な「蒔絵(まきえ)」の調度品は、当時の工芸技術の粋を集めたアート作品として必見です。
紺糸素懸威五枚胴具足 明珍宗保/作 天保15年(1844)
萌黄匂威腹巻具足 明珍宗周/作 安政3年(1856)
綾杉地獅子牡丹蒔絵十種香箱 幸阿弥長重/作 慶安2年(1649)
江都繁華 -町人文化の開花-(第2章)
18世紀、経済的な力を蓄えた町人たちは、圧倒的なエネルギーに満ちた独自のサブカルチャーを次々と開花させていきました。
その象徴ともいえるのが浮世絵であり、本展では葛飾北斎の『冨嶽三十六景』や東洲斎写楽の役者絵といった、誰もが一度は教科書で目にしたことのある名画の数々が会場を彩ります。さらに、当時の娯楽の中心であった相撲・歌舞伎・吉原という三つの盛り場に焦点を当てると、現代の「推し活」にも通じるような、当時の人々の凄まじい熱狂ぶりを肌で感じることができるでしょう。
相撲取組図 渓斎英泉/画 文政7年(1824)頃
『青楼美人合姿鏡』 勝川春章・北尾重政/画 安永5年(1776)
市川鰕蔵の竹村定之進 東洲斎写楽/画 寛政6年(1794)
冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 葛飾北斎/画 天保2-4年(1831-33)頃

東洲斎写楽とは?歌舞伎の役者絵の代表作も解説!
謎に包まれた天才浮世絵師、東洲斎写楽。わずか10ヶ月という短い期間に、その鮮烈な役者絵で江戸を席巻し、今もなお人々を魅了し続けています。

《富嶽三十六景》の場所はどこ?美術もおでかけも楽しくなる北斎の聖地10選
江戸時代の画家・葛飾北斎の代表作《富嶽三十六景》は、富士山のある景色を描いた版画シリーズです。当初は36図でしたが、評判が良かったからか、10図が追加されて「46景」になりました。
火事と喧嘩は江戸の華 -武家火消と町火消-(第3章)
江戸の町と切り離せない「火事」。本展では、命をかけて炎に立ち向かった火消たちの装束にスポットを当てます。
武家火消のきらびやかな兜や羽織と、町火消の質実剛健な刺子半纏。それぞれの「意地」と「美学」が交錯する展示空間は、本展の大きな見どころです。
江戸の花夜の賑 歌川芳艶/画 万延元年(1860)
江戸の花夜の賑 歌川芳艶/画 万延元年(1860)
類を以て集まる -交遊と創作-(第4章)
また、江戸の文化をより重層的で豊かなものにしたのは、趣味や学問を通じて構築された人々の「交遊(ネットワーク)」でした。
マルチクリエイターとして知られる平賀源内や、江戸琳派の旗手である酒井抱一、そしてベストセラー作家の曲亭馬琴といった時代を彩った異才たちが、互いに手紙を交わし、刺激し合いながら新しい芸術を生み出していくプロセスは非常に興味深いものです。
本展では、彼らの直筆の書状や作品を丹念に紹介することで、江戸という都市が持っていた計り知れないクリエイティビティの源泉に迫ります。
