●犬の所有をめぐり、主張が対立
判決によると、原告側は犬は購入時には原告と被告が2分の1の割合で共有していたが、被告が2024年5月13日、自身の共有持分権を放棄したので、原告の単独所有となったと主張。被告が原告をだまして犬を連れ去ったのは不法行為にあたるとうったえていた。
また、仮に共同所有であったとしても、被告は違法に原告の占有を排除して、犬の占有を確保したことから、被告が犬を使用収益することは権利の濫用にあたるなどと指摘。犬の引き渡しや、不法行為にもとづく損害賠償220万円を求めていた。
これに対し、被告側は共有持分権を放棄したことはないとして、原告は一時的な監護者であり、原告が共有持分権を放棄していると反論した。
さらに犬の返還を拒絶したのは、被告が原告に対し、犬を預かることを要請しても理由なく断ったこと、犬が原告から十分な世話を受けていないことを確認したからであり、不法行為は成立しないなどと反論していた。
●判決では犬は2人の共同所有と認定
横浜地裁は、犬は購入時点で原告と被告が各2分の1ずつの割合で共有していたと認定し、被告が転居した後も、双方が持分を放棄したとは認められないとした。
そのうえで、原告が主張した単独所有は認められないとして、犬の引き渡しを求める請求を棄却した。共有者である被告が犬を占有していることは権利の濫用にあたらないとした。
一方で、被告が翌日返還の約束に反し、合理的な理由を示さずに返還を拒否し続けた点については、不法行為にあたると判断した。
ただし、犬は法律上「動産」であり、不法行為時点での財産的損害を裏付ける証拠はないとしたうえで、慰謝料など計11万円の支払いを命じた。
原告側は弁護士ドットコムニュースの取材に対して、犬の引き渡しが認められなかったことなどを不服として、控訴する方針を示した。

