「安く見せる」よりも「ちゃんと伝える」姿勢が見直されている
実は税込表示を小さく記す背景には、22年から続く原材料費・人件費・物流費などのコスト上昇があります。
スーパー各社は、値上げの印象をやわらげるため、税込表示から税抜表示へひっそりと切り替えてきたのです。
例えば、全国に展開するディスカウント大手「トライアル」は、かつて税込価格のみの表示で「わかりやすい」「良心的」と高く評価されていました。
ところが25年5月、税抜価格の記載、さらに税抜価格を大きく表示する方式に変更。
一部では実質的な値上げも伴い、SNSでは「表示を変えただけで、結局高くなった」という指摘、「税込表示がわかりやすかったのに」といった落胆の声が広がっています。
その一方で、「税込価格」だけの表示で勝負し続けているのが「コスモスドラッグ」です。
大きく税込価格を打ち出し、“消費者がわかりやすい”表示を貫いています。「安く見せる」よりも「ちゃんと伝える」姿勢が、今見直されつつあるのです。
こうした「値上げを感じさせない工夫」や「率直に価格を伝える方式」が、スーパー間の価格競争を過熱させています。そしてこの姿勢が、消費者との「信頼」の間に小さなズレを生じさせているのかもしれません。
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