過度な支出と転売を招く?「ランダム商法」
X(旧ツイッター)上で、1000円を超える高額なアイテムのランダム商法をめぐり再び批判が過熱しています。アニメやゲームのアクリルスタンドやぬいぐるみといった公式グッズが、高額にもかかわらず何が入っているか分からないパッケージで販売されるケースが増えたことで、2024年以降に議論が活発化。人気コンテンツで高額ランダム商品が発表されるたび「1000円以上のランダム販売を法律で禁止すべき」といった投稿がバズるようになりました。
問題となっているのは、主に1000円から3000円以上する高額なトレーディンググッズです。キャラクターやデザインを自分で選べない「ブラインド形式」が主流で、箱買いしても全種そろわない仕様や、中には20種類以上の膨大なバリエーションがあるものも少なくありません。そのため目当てのキャラクター(推し)を入手できる保証がなく、ユーザーからは「ギャンブルと変わらない」「推しを人質に取られている」といった強い批判が上がっています。また、不要なグッズが中古市場にあふれることによる資源ロスを指摘する声もあります。
この問題が再び注目を浴びるきっかけの一つとなったのが、2025年10月2日に発表された人気キャラクター「ちいかわ」シリーズのテディベアグッズでした。
全6種類で1個2420円(税込み)と高額ながら、ランダムという販売方法、さらにBOX販売がなく購入も一人2個までと制限されていたため、発表直後から「ファンを軽視している」「転売を助長するだけだ」といった批判が殺到しました。
Xでは翌3日、「ランダム」というワードがトレンド入り。批判を受けて販売元のグレイ・パーカー・サービス社は同日急きょ、先行販売を中止し全種コンプリートのBOXのみ受注生産に切り替えると発表。併せて「お客さまにご心配、ご迷惑をお掛けしましたこと、深くおわび申し上げます」と陳謝しました。
今回ちいかわテディベアは迅速な対応を見せましたが、今後もランダム商法に対するこうした批判は続出することが懸念されます。時期を同じくしてXでは、ミュージカル「刀剣乱舞」や「アイカツ!×プリパラ THE MOVIE -出会いのキセキ-」といったコンテンツも同様の批判にさらされました。
ランダム商法に対するXの反応は圧倒的に否定的なものが多く、種類の多さや交換禁止といったルールを挙げて、販売方法への具体的な規制を訴えています。また、子どもへの影響を懸念し「親子ともに不幸になる」と指摘する声や、「かわいくても買わない」「ファンでいるのがつらくなる」とボイコットを表明するユーザーも少なくありません。
一連の議論は、オタク文化の商業化が拡大する中で生まれたジレンマを浮き彫りにした格好です。ファンの声がメーカーに届き、業界の商習慣が見直されるのか、今後の動向が注目されます。
(LASISA編集部)

