
映画好きで知られるお笑い芸人の加藤浩次と映画ライターのよしひろまさみちが、毎週おすすめ作品を紹介する番組「加藤浩次とよしひろのサタデーシネマ」(土曜朝8:00-11:00、BS10)。3月21日(土)の放送回では、アガサ・クリスティの代表作を映画化したミステリー「オリエント急行殺人事件」が取り上げられる。豪華列車を舞台に名探偵ポアロが密室殺人の謎に挑む名作を、2人が映画談義とともに深掘りした。
■実体験から生まれた物語と重厚な映像美
本作は世界的推理作家アガサ・クリスティの代表作を豪華キャストで映画化したミステリー。ケネス・ブラナーが監督と主演の名探偵ポアロ役を務め、豪華列車の中で起きた密室殺人事件を解き明かしていく。
番組ではまず、アガサ・クリスティ作品の発行部数が累計20億部を超えていることが紹介されると、加藤は一瞬言葉を失い「20億部はやばくないすか!?」と驚愕。現代では10万部で大ヒットといわれる出版事情と比較し、その桁違いのスケールに感嘆する。
作品を観終えた加藤は、印象的なラストシーンについて「洒落てるねー!」と興奮気味に語り、よしひろも「続編あるのね」と盛り上がる場面も。さらに話題が主演のケネス・ブラナーの人物像へ移ると、加藤は「本当に知的に見える。相当知識がある方なんだろうな」と考察。よしひろも「何度もインタビューしましたけど、すごく頭がいい」と実際に対面した人間ならではの直接的な印象を語った。
加えてブラナーは一見近寄りがたい雰囲気を持ちながらも、実際に会うと初対面から気さくに話しかけてくれる人物だという。よしひろは「インテリ臭をあんまり出さない人だから好きになっちゃう」と、改めてその魅力的な人柄を熱く振り返る。
また、本作の誕生には興味深い背景もあるという。1929年にトルコで悪天候によって列車が立ち往生する事故が発生し、さらにその2年後にはアガサ・クリスティ自身もオリエント急行へ乗車中に洪水の影響で列車に閉じ込められたそうだ。この体験が密室殺人事件の物語の着想につながったとされ、加藤は「実話から始まってるっていうのがリアリティを生むんだろうな」と感心していた。
さらに番組では映像面のこだわりにも注目。よしひろが「65mmフィルムで撮っているんです」と説明すると、自身も映像撮影に関わる加藤はすぐにピンと来たのか「すごいね、フィルムって。全然違うんだな」と納得の声を上げる。豪華キャストの上品な演技だけでなく、重厚で美しい映像も本作の魅力を支えるピースなのだろう。
最後に作品の印象を聞かれた加藤は、ポアロの特徴的な口ヒゲに触れながら「60歳を超えて、僕もヒゲ伸ばそうと思いました」と小ボケを1つ。するとよしひろが「胡散臭い、やばい投資家にしか見えないです」とツッコみ、スタジオは大きな笑いに包まれた。
密室殺人というミステリーの王道、豪華キャスト、重厚な映像美に加え、原作者の実体験に基づくリアリティーが融合した「オリエント急行殺人事件」。今回の放送を通して、あらためて名作ミステリーの奥深さと映画化作品ならではの魅力を再認識させられた。ミステリー好きはもちろん、映画の美しい映像表現を楽しみたい人にとっても見逃せない一作だ。
■「オリエント急行殺人事件」ストーリー
エルサレムでの事件解決後、イギリスへ向かうために急遽、豪華寝台列車オリエント急行に乗車した名探偵エルキュール・ポアロ。彼は、「脅迫を受けている」という乗客の富豪ラチェットから身辺警護を頼まれるが、あっさり断る。その夜、雪崩で脱線し立ち往生した車内で、ラチェットが何者かに殺害されてしまう。鉄道会社からの依頼でポアロは乗客1人1人から聞き込みを行うが、全員に完璧なアリバイがあることが判明し…。

