
和田雅成と髙橋大翔がW主演を務めるBLドラマ「あなたを殺す旅」が、FODで独占配信中(毎週(金)夜20:00に最新話を配信)。浅井 西の人気コミックを実写化した本作は、ヤクザの世界に生きる男2人の危うく切ない任侠ラブストーリーだ。
和田が演じるのは、組員から慕われる若頭・片岡錦司。とある騒動をきっかけに、ほとぼりが冷めるまで旅に出ることになるも、その旅には髙橋演じる組長のかつての付き人・小田島漣が世話役として同行することに。専務の桐井から「片岡を殺せ」と密命を受ける小田島だったが、片岡の人柄に触れるうちに心が揺れていく。一方、片岡も小田島の意外な一面に興味を持ち…。お互いを知るにつれて近づいていく2人の距離が、大きな見どころに。
今回、そんな2人を演じた和田と髙橋にインタビュー。役柄を通して見えたお互いの魅力や、現場で感じたリアルな距離感を明かしてくれた。
■初対面で感じた「まっすぐさ」と安心感
――ヤクザ×BLがテーマの本作ですが、お2人ともBLドラマは初出演ですよね。
和田雅成(以下、和田):そうですね。今回、僕はオーディションだったので決まったときは素直にうれしかったです。
髙橋大翔(以下、髙橋):僕も、うれしいが一番大きかったです。BL作品には、いつか挑戦してみたいと思っていました。
和田:あと、相手はどんな子なんだろうなと思ったんですよね。重厚な作品だし、人柄とかも分かった方がやりやすいなと。
髙橋:実際会ってどうでした?
和田:すごくまっすぐな子だなと思って、安心した(笑)。年の差が結構あったので、どうやって距離を縮めようかなと思っていたんですけど、最初の本読みのときからいい意味で物おじしないというか。ストンと素直にセリフを投げてくれたので、「これだったら、自分も素直に球を返せばいいな」と自然体で向き合えました。
髙橋:よかった! 僕も最初は年齢が離れていたので「どんな人かな」という感じだったんですけど、見た目がイケメンなので実年齢が全然分からなくて(笑)。そのうえ、喋ったらめちゃくちゃ兄貴肌タイプ。ついていけば間違いないなと。今回、どう演じたらいいのか悩んだところも多かったんですけど、分からない部分もごまかさず、和田さんにぶつけながらやっていこうと心が決まりました。
和田:分からないことをちゃんと言えるのがすごいですよね。分からないことをそのまま進める子も多いなかで、「一緒に解決してもらえませんか」と率先して言えるって、なかなか出来ないこと。でも、それって作品作りにおいて一番大切なことだし。責任感みたいなものも感じて、すてきだなと思っていました。
――和田さんから重厚な作品という言葉もありましたが、原作を読んでどんな印象を持ちましたか。
和田:素直に面白かったです。でも、撮影に入る時点ではまだ1巻(上巻)しか出ていない作品だったので、キャラクターについてちゃんと読み取れたかという部分では不安なところがありました。意味深なコマも多かったので、それを現場で皆さんと一緒に読み取っていこうと思いました。
髙橋:僕はBL作品を読むこと自体が初めてだったので、こんなにハードなのか!と。
和田:たしかに、まあハードだよね。冒頭から大胆なラブシーンだし(笑)。
髙橋:自分に出来るかなと、不安になったところもありました。でも、読み進めていくと、そういうシーンももちろん大事だけど、それ以上にキャラクターの複雑な心情や関係性が繊細に描かれていて。その独特な空気感を壊さないように演じなければいけないなと思いました。
■原作へのリスペクトを何よりも大事に

――原作から特に取り入れたいと思ったところは、どんな要素でしょうか。
和田:もう全部ですね。例えば、片岡だったら口を膨らます方法とか。ここの筋肉に力が入っているなというのが、絵から分かるんです。細かいところまでこだわって描かれていたので、それに応えたいなと。先生が撮影現場にいらっしゃったときに、その場で聞いたこともありました。1コマ1コマ、丁寧に表現したいと思っていたんですよね。
髙橋:2人の立ち位置も、かなり意識しましたよね。
和田:原作のマンガを片手に「片岡が左だから…」と言いながら確認して。
髙橋:上條監督から「そこまで原作を意識しないでいいよ」とも言われたんですけど、そこは2人で「こだわろう」と。かなり原作を大切にして作っていったように思います。
和田:これまで自分は原作がある作品に出させていただくことが多かったんですけど、そこで感じたのは、原作を知って観てくださる方にはそれぞれ外せないポイントがあるということ。原作を無視していたら、そういった方の想いを裏切ることになるので、それは大切にしていきたいと思っていました。
――原作を大切に、と意識された撮影のなかで、特に印象的だったシーンは?
和田:やっぱり第1話の小鳥のシーンですね。片岡が車のなかで弱った小鳥を両手で持っているシーンがあるんですけど、そこで自分たちの意識がガラッと変わったんです。もちろん、それまでの撮影もちゃんと片岡と小田島だったんですけど、カットがかかった瞬間に目が合って、2人で「今のよかったよね」となって。
髙橋:あの空気感、ヤバかったですよね。監督もそれに気付いてくれて「めっちゃよかった」と言ってくださって。あの感覚が映像からも伝わったらいいなと思っています。
和田:撮影も中盤だったので、それまで積み上げてきたものがあったからこその感覚だとは思うんですけど、あのシーンは不思議な気持ちでした。これだから役者、やめられないなって。
髙橋:言ってましたよね。「役者って面白い」って。僕も、小田島についていろいろ悩んでいたけど、あのシーンを撮ってから「もう役作りで心配することはない」と思えました。
和田:分かる。「俺ら、もう大丈夫だな」という感じがあったよね。今回は片岡と小田島、2人の話だから自分がどう作っていくか、というよりも相手との対話。髙橋大翔の小田島だから、自分もこういう片岡になったんだなと。自分がどうする、というよりも相手の想いを大事に演じていたようにも思います。
髙橋:和田さんがそういうスタンスでいてくださったのが、すごくありがたかったです。小田島は、信じられないくらい悲惨な生い立ちだったので、その雰囲気をどう出したらいいのか。そこがすごく不安で。その生い立ちをノートにぶわーっと書き出して、そこから小田島の人物像を作っていたんですけど、ヤクザらしい立ち振る舞いも必要だし。いろいろ考えて作っていった小田島を和田さんが片岡として受け止めてくれていたので、全力でぶつかることが出来ました。
和田:大翔って、プライベートも役に浸食されるタイプなのかなと思ったんだよね。個人的には、そういう雰囲気にもだいぶ助けられたなって。今、触れちゃいけない瞬間があるな、というのを割と感じ取りやすかったんですよ。
髙橋:それは、ちょっと絡みづらかったということですか(笑)。
和田:いや、違うって(笑)。いつもどこかに小田島の雰囲気があったから、自分も変にスイッチを入れずに自然体で演じられた、ということです!
■ヤクザとBL、両方の魅力が詰まった作品

――先ほども髙橋さんが原作を読んで「こんなにハードなのか」とおっしゃっていましたが、大胆なシーンも多いですよね。
髙橋:そうなんですよ。でも、なんかスポーツみたいでしたよね(笑)。
和田:そうだね。思ったよりも、カメラがまわっている時間が長かったんです。細かく動きを決めず、その場の雰囲気で動いていくのをカメラが追っていく、というスタイルだったので、監督からカットがかかるまでずっと動いていて(笑)。その印象が強いですね。とはいえ、“オスみ”みたいな部分は意識したかな。
あと、大翔がまったく遠慮しないんですよ。普通、テストだとキスしないんですけど、テストから自然と仕掛けてきて。「あ、今キスしちゃいました!」って(笑)。今回が初共演ですけど、何の気負いもなくポンッと懐に入ってきてくれるのがすごく楽でした。キスしたら、もうそこからは早いじゃないですか(笑)。
髙橋:あはは(笑)。そんなこと思っていたんですか!? いや、でも自分も和田さんだから、スッといけたというか。ラブシーンだからどうこうじゃなく、「いいものを作っていこう」という意識が強かったように思います。
――では、そんな本作の見どころを改めてお願いします。
和田:ヤクザとBLって人気の組み合わせだと思うんですけど、どちらのよさもしっかりと描かれている作品です。大胆なシーンから始まって驚くかもしれませんが、それだけのドラマではないので、そこで止めずに最後まで観ていただけたらうれしいです。
髙橋:タイトルからちょっとダークな作品なのかなと思うかもしれないんですけど、まっすぐな愛とか、純粋がゆえの危うさみたいなものが出ているドラマです。最後まで観ていただけたら、タイトルの意味やテーマも見え方が変わってくるんじゃないかなと思います。
和田:配信中の第1話だと、2人でおそばを食べるシーンが意外と好きですね。
髙橋:あと、カップラーメンのシーンもいいですよね。片岡が小田島に「フーフーしろ」って言うところ。
和田:あれね! なかなかカットがかからないから、何度か「フーフーしろ」と言ったんですけど、結果的にすごく片岡と小田島の関係性が分かるシーンになったよね。
髙橋:小田島がちょっと困る感じが、この作品っぽいですよね。2人の関係性が顕著に出ている気がします。
和田:この役を、僕ら2人が演じる意味が分かってもらえるんじゃないかなというシーンです。第1話をすでにご覧になった方も、「フーフーしろ」に注目しながらもう一度観てみてください!
(取材・文=吉田光枝)

