よくある理由②「上気道疾患を併発している」

飲水時などに咳が増える場合は、「上気道疾患の併発(慢性喉頭炎や喉頭麻痺・虚脱など)」の可能性が考えられます。
水を飲むとむせる ごはんの後に咳き込む ガーガー/ゼーゼー音が増えたこのようなパターンは、“のど(喉頭~咽頭)側の問題”が絡んでいることがあります。心臓や気管だけを追っていると、ここが盲点になりやすいポイントです。
大型犬では“喉頭麻痺”の発生が年齢と共に高くなり、小型犬・短頭種では喉頭軟骨がひしゃげた状態になる“喉頭虚脱“の発生が危惧されます。
これらの疾患はレントゲン等の基礎検査では診断が難しく、病気の存在を疑うときにはお家での様子(稟告)がとても重要になります。
ここは要注意(受診を急ぐサイン)
呼吸が苦しそう、舌や歯ぐきが紫っぽい 熱に弱くなった/軽い運動でパニック様になる 咳と一緒に「吐きそう」「むせ」が強いよくある理由③「慢性的な感染症を患っている(慢性感染)」

高齢犬の止まらない咳の原因として、「慢性感染」の存在が疑われる場合があります。
次のような場合は、慢性的な気道内感染が絡んでいることがあります。
「抗菌薬を飲んでも、やめるとぶり返す」 「痰っぽい/湿った咳が続く」 「体調の波がある」高齢犬では、基礎疾患(心臓病・気道虚脱・慢性気管支炎など)で気道の防御機構が落ち、感染が併発しやすくなることが多々あります。
気道感染では、いわゆる「ケンネルコフ(CIRDC)」関連の病原体に加え、マイコプラズマ(例:Mycoplasma cynos)の関与が話題になります。
マイコプラズマは培養が難しいこともあり、状況によってPCR検査等を検討する論点があります。
さらに、慢性化・再燃を繰り返すケースでは、日和見感染菌(ふだんは問題になりにくい細菌)も視野に入ります。
抗菌薬の選択は「とりあえず」より、可能なら気道サンプルでの評価を踏まえて判断する、という方が理想的です。

