
ソン・ジュンギとチョン・ウヒがW主演する韓国ドラマ「マイ・ユース(My Youth)」(FODにて韓国の放送と同タイミングで独占配信中。毎週金曜に2話ずつ追加/全12話)の第7話と第8話が、9月26日に配信され、病気のことを告げて「重荷を負わせたくない」と別れを選ぶソンウ・ヘ(ソン・ジュンギ)と、一緒に乗り越えたいソン・ジェヨン(チョン・ウヒ)の葛藤が描かれた。また、ヘが父親にこれまで抑えてきた感情を爆発させ、視聴者はヘの涙に「涙腺崩壊」と心を痛めた(以下、ネタバレを含みます)。
■初恋同士の2人の恋が15年ぶりに動き出すロマンチックストーリー
本作は、15年ぶりに再会した初恋の相手同士の男女が、それぞれ異なる世界で人生を歩む中で互いの立場の違いに戸惑い葛藤しながらも、過去の記憶と向き合い、新たな愛を築いていく姿を描くロマンチックストーリー。
■ジェヨンの想いをへが受け入れられない理由は、「カツラだから?」
病気の症状が出始め、“死”が迫ってきたことを悟ったタイミングでのジェヨンの愛の告白…。本来なら飛びあがるほど嬉しいはずだが、ヘは複雑だ。微妙な彼の態度に、もう遅かったかと悔やむジェヨン。「そうじゃなくて、今はマズい」と言った彼に、「マズい理由」を考えるジェヨンは、「ヌリが妹ではなく、実は娘」「ソクジュが義弟ではなく実の弟」とトンチンカンなことを次々に言い始める。“正解”がわからない彼女は、ついには「もしかしてカツラとか?」と言い出し、ヘは思わず「正真正銘、自毛だよ!」と反論。コントのようなやり取りに、さっきまでの深刻さを忘れて吹き出してしまった。まさに“緊張と緩和”。このドラマの魅力の1つだ。
結局答えがわからないまま、ジェヨンは「とりあえず決めた。(困難を)突破してやる!初心貫徹が私の信条だから」と宣言。こうと決めたら突き進む彼女らしい決断だ。
■ジェヨンの“チュー”大作戦
宣言通り彼との関係を進めることにしたジェヨンは、恋の相談をしたテリン(イ・ジュミョン)のアドバイスに従い、次は自分からキスして彼を夢中にさせる作戦に。少しの隙を狙ってキスしようとする彼女に、ヘは若干引きながら「何するつもり?」と尋ねる。照れもせずに「チュー」と言いながら近づいてくるジェヨンの唇を手でふさぎ、“突破”とはこれなのかと呆れて笑う彼。自分は真剣なのに笑われたことでジェヨンはヘコむが、久々に湧き上がった感情を楽しみたいのだと素直な気持ちを伝えた。そして、謹慎中でヒマな彼女はデートをせがみ、2人はゲームセンターに行ったりプリントシールを撮ったり…と学生のようなデートを楽しんだ。
いったん別れた後、プリントシールを渡す口実でフラワーショップにやって来た彼女は、またもやキスにトライ。拒む彼に「今日の私はキスすることしか考えてないみたい」と言いながら力技でキスをして、「避けるチャンスはあったのに」と言うジェヨン。今回は、離島でのキスと立場が逆だ。初志貫徹した彼女は、大満足の笑顔を浮かべるのだった。

■体調が悪化するヘ
その週末、ヘと会う約束をしていた彼女は公園で彼を待っていたが、いくら待っても彼は来なかった。実は出かける寸前に彼は気を失い、病院に運ばれていたのだった。ヘの症状は悪化していた。
ヘと連絡が取れないジェヨンは彼の家を訪ねるが、彼は居ない。事故に遭ったのでは?病気になったのでは?と、心配で泣きながら彼を待ち続けた。そして、息を切らせて戻ってきたヘを見て、ジェヨンは安心して再び泣き出した。彼は「私、あなたのことが本当に好きみたい…」と泣きじゃくる彼女を強く抱きしめて何度も謝るのだった。
■気持ちがすれ違う哀しい別れ、再び…
「二度としないって約束して」と言うジェヨンに、彼は「約束……できない」と告げた。そして、その言葉の意味がわからず動揺する彼女に「もう会うのはやめよう」と絞り出すように言った。最近の彼の様子から、関係を先に進めないようにしてるのには何か理由がある…と、薄々感づいていたジェヨンだったが、ハッキリと拒絶されたことで、彼にとって自分はその程度の存在だったのかとショックを受け、「終わりにしよう」と言って去って行った…。
真実を告げたら彼女を苦しめることになる為に言い出せず、今別れた方が傷が浅いと考えたへ、そんな彼の気持ちを知る由もなく、自分だけが浮かれていたのだと傷ついたジェヨン…どちらの立場もわかるだけに見ていてとてもつらかった。視聴者も「つらすぎる」「涙が止まらない」と、哀しい別れに心を痛めた。


■ついにジェヨンに真実を告げたへ
哀しみに暮れて1人ヤケ酒をあおっていた彼女は、酔った勢いでフラワーショップへ。「寝てもあなたの顔が浮かぶ自分にあきれ返るし腹も立つ」と想いをぶちまけ、「アンタなんか今日限りで忘れてやるから!この先、永遠に!気安く話しかけないから!」と言う彼女の怒りをヘはつらそうな表情で受け止め、「わかった」とだけ言った。
今まで自分が知っていた彼とは違うと感じたジェヨンは、「私の何がいけないの?」と尋ねるが、へは「キミは悪くない。オレのせいだ」と答えることしかできない。これ以上一緒に居るのがつらくて彼女を帰そうとするが、ジェヨンは「触らないで!」と激しく抵抗。千鳥足で帰っていく彼女の後を追ってきたへは、「病気なんだ」とついに告げ、「やっと実感が湧いた」と呟いた。ジェヨンを苦しめたくないという想いと同時に、今の自分の状況は何かの間違いだと信じたかった彼は、口にすることで現実なのだと認めるしかなくなることが怖かったのだ。告げるまでにどれだけの勇気が必要だったのだろう…そう思うと胸が張り裂けそうになった。
茫然とするジェヨンに、彼は「僕を忘れるのは構わないけど、僕の気持ちが“その程度”だったとは思わないで」と言い、先日彼女を泣かせたことを改めて詫びるのだった。
■病状の深刻さを知ったジェヨン
しばらく会わない日が続いたが、ジェヨンは意を決してへに会いに行き、「ここで終わるのはダメ」と告げた。高校時代もへは「自分の世界が美しいのは、たまにでいい」という想いから彼女の告白を断り、真意がわからなかった彼女は一方的に腹を立てて別れた…今の状況は当時と同じで、ジェヨンは今でもあの時のことを後悔していた。
病気について尋ねられた彼は「運が悪ければ死ぬ」と正直に告げた。進行を遅らせることはできる、と言うへだったが、ジェヨンは想像以上の深刻な病状に言葉を失っていた。正直に打ち明けてくれたことに礼を言い、「あとは、別れる理由を私が納得するだけね…」と、彼のつらい立場に理解を示そうとしたが、胸の内では混乱していた。そしてまた、2人は会わないまま日々が過ぎていった。
■ヘと父・チャン
そんなある日、ヘが小説を書いていて、それが絶版になっていると知った彼の父親・チャン(チョ・ハンチョル)が、自分が経営する出版社から小説の再版をしたいと電話をかけてきた。ヘは、幼い自分と母を置いて家を出て行った無責任な父を憎んでおり、再婚して金回りが良くなってからは、関係を修復しようとたびたび訪ねてくる父をいつも追い返していたのだった。
教えた覚えが無い電話番号をなぜ知っているのかと問い詰めるヘに、父は「ヌリから」とうっかり口をすべらせた。この10年、チャンはへには内緒でヌリとたびたび会っていたのだ。それを知り頭にきた彼は、父の出版社に殴りこんだ。
へは、チャンに、ヌリを引き取ったのは、無責任な父親と同類になりたくなかったからだと怒りをぶちまけた。話すうちにこれまで抑えていた怒りが湧き上がり、母が死んだ時、どこで何をしていたのかと責めて、「居てほしい時に居なくて…アンタなんかをずっと待ってたのに」と、子どものように泣きじゃくった。母の葬儀でも泣かず、これまでほとんど感情を表に出さなかった彼の20年以上溜まってきた涙が一気に溢れ出したようだった。
そして、それまでチャンを「アンタ」と呼んでいたへは、突然「父さん」と呼びかけ、自分を捨てたのは「そんなに僕が“お荷物”だった?」と、再び号泣した。初めて感情を爆発させた息子に、チャンはそうじゃない。自分が未熟でろくでもなかったのだ、と嗚咽しながら心から詫びた。今になって謝る父に、「その無責任さを譲ってくれ。好きなように生きたかった」と言い残して、ヘは去った。チャンは、自分がどれだけ息子につらい思いをさせてきたのかを改めて痛感し、取り戻せない過ちに声を上げて泣くのだった。
憎みながらも、実は父を求め、甘えたくて頼りたかったへの寂しさが伝わり、「涙腺崩壊…」と涙無しでは見られなかった視聴者が続出した。

■「私が好き?嫌い?」
一方、ジェヨンは久々に母と話したことで思い直し、またへの元へ。以前と変わらない態度の彼女に、ヘも次第にぎこちなさがなくなり、元の関係に戻ったようだった。そして、彼が倒れて果たせなかった「自転車に乗れないジェヨンに乗り方を教える」という約束を今から実行することになった。
その帰り道、彼女は「会いたかった」と言い、「私が会いたいって言ったら、どうなる?」と尋ねた。だが、彼の答えは「頼むからやめろ」。ジェヨンは、へのことを考えてしまうのが同情なのか恨みなのかわからなくて会いに来たが、顔を見て、まだ好きだとわかった、このままでは終われないと気持ちをぶつけた。しかし彼は、最後まで責任が取れない、また泣かせてしまう、と彼女の気持ちを受け入れられない…。「この先に起こることを一緒に耐えようとは言えない」と頑ななへに対し、ジェヨンは、以前「人生は賭け」と彼が言ったことを持ち出し、「どうしていつも失う方に賭けるの?とりあえず進もう」と説得した。
だが、彼の答えは変わらない。そんな彼を、一緒に乗り越えようとしないのは、勇気が無いから。やはり“その程度”の気持ちだったのだとなじるジェヨン。そして「私が知りたいのは1つだけ。私が好き?嫌い?」と尋ねた。すると、ヘは「嫌い。これでいいか?」と言い、彼女を置いて去ってしまった。1人残された彼女は、人目もはばからず、大声で泣いた。
大切な人を悲しませたくない、というヘの気持ちはわかる。だが、それが逆に彼女を傷つけ悲しませている…。彼女は、へが考えているよりずっと芯の強い女性だ。へも本当はジェヨンと居たいはず。彼女の覚悟と想いを信じて、勇気を出してほしいと思った。
■“救急車で運ばれた女性”は誰?
彼女と別れたヘは、頭を冷やす為に洗面所で顔を洗った。その時、鼻から血がボタボタと垂れてきて、さらに病状が進行していることに大きなショックを受けるのだった。
残したジェヨンが気になり、先ほどの場所に戻るとジェヨンの姿は無く、人だかりができていた。そこには倒れた自転車と地面に飛び散った血が…。自転車の女性とスケボーの集団がぶつかって、女性が救急車で運ばれたと聞いたへは慌てて彼女に電話をかけるが、何度かけても出なかった…。
救急車で運ばれたのはジェヨンなのだろうか…。気まずい別れをしただけに、ヘは彼女の安否が気になってたまらない。このことで、彼にとってジェヨンがなくてはならない存在だと改めて気付き、共に乗り越える道を選ぶと願いたい。何が幸せかは、進んでみなければわからないのだから…。
◆文=鳥居美保


