年齢や出産経験に関わらず、性交時の痛みに悩む女性は少なくありません。「我慢すべきもの」「気のせい」と見過ごされがちですが、原因によっては医療で改善できるケースもあります。そこで、性交痛の一因となる処女膜の状態と、その治療法である「処女膜切開術」について、SOL CLINICの向井先生に聞きました。
※2026年2月取材。

監修医師:
向井 英子(SOL CLINIC)
2001年藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)卒業。2008年藤田保健衛生大学大学院(現・藤田医科大学大学院)修了、博士号取得。2011年順天堂大学医学部附属静岡病院形成外科部長、2012年戸田中央総合病院形成外科部長、2016年湘南美容クリニック 宇都宮院院長就任、2020年湘南美容クリニック 川崎院院長就任、2022年SOL CLINIC開院。日本形成外科学会認定専門医、ボトックスビスタ認定医、ジュビダームビスタ認定医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、医学博士、日本美容外科学会(JSAPS・JSAS)正会員、日本頭蓋顎顔面外科学会正会員 日本創傷外科学会正会員。
処女膜切開術とは? どんな人が適応?
編集部
処女膜切開術とは、どのような治療なのでしょうか?
向井先生
処女膜切開術とは、処女膜が硬かったり狭かったりすることで性交時に強い痛みが出る場合に、その一部を切開して入口を広げる治療です。処女膜は個人差が大きく、自然に伸びにくいタイプの人では、挿入時に強い痛みや出血を繰り返すことがあります。こうした構造的な原因を改善するための医療的な処置のことを、処女膜切開術と呼びます。
編集部
どんな人が、この治療の対象になりますか?
向井先生
性交のたびに強い痛みがあり、男性器の挿入が困難な人が主な対象です。緊張や不安だけでなく、処女膜自体が厚く硬い、入口が極端に狭いといった身体的要因がある場合に適応となります。当院では、長期間悩んでいる人や、何度試みても改善しない人が相談に来ることが多いですね。
編集部
心理的な問題も関連していると聞いたことがあります。
向井先生
確かに、性交時の痛みには心理的な問題が関係していることもあります。そういった問題と区別するため、まずは診察によって処女膜の硬さや伸びにくさを直接確認します。心理的な緊張が主因の場合は、診察時に強い抵抗感が出る一方で、構造的な問題がある場合は、リラックスしていても物理的な狭さが認められます。また、心理的と構造的な問題が重なっているケースも少なくありません。
編集部
「処女膜を切る」と聞くと不安を感じますが、大手術なのでしょうか?
向井先生
いえ、大きな手術ではありません。必要最小限の切開をおこなう比較的シンプルな処置で、日帰りのケースがほとんどです。見た目が大きく変わることもないので、安心して受けてほしいと思います。
治療の流れ
編集部
治療はどのような流れでおこなわれますか?
向井先生
まず診察で適応を判断し、治療内容について患者さんにしっかり説明します。処置当日は局所麻酔をおこない、処女膜の一部を切開します。不安感が強い人には、笑気麻酔や静脈麻酔を使うこともありますね。処置自体は短時間で終わり、強い痛みを感じることはほとんどありません。
編集部
処置中や処置後の痛みはありますか?
向井先生
処置中は麻酔を使用するため、痛みは最小限に抑えられます。処置後は軽いヒリヒリ感や違和感が出ることがあるものの、多くは数日以内に落ち着きます。強い痛みが長く続くことはまれですね。
編集部
患部の縫合は必要ですか?
向井先生
縫合しないケースもありますが、多くの場合は溶ける糸を使い縫合します。ただし、日常生活に影響が生じることはほとんどなく、抜糸も必要ありません。
編集部
治療後、どれくらいで効果を実感できますか?
向井先生
傷が治った後すぐの性交時から「痛みが軽減した」「挿入しやすくなった」と実感される人が多いです。ただし、長年の痛みの記憶から緊張が残る場合もあり、徐々に慣れていくことが大切です。

